最近、北斎と広重の本を読んでいた処

読メでジュニア版もあることを知り借りてきました↓

 

ジュニア用だからか 平易な言葉と共に漢字全てにフリガナがついており

浮世絵など難しいことは分からなくても

子供の頃にこの本に出会っていたら 楽しかっただろうな~と感じました。

いや、大人になってからも 楽しめましたけどねウインク

 

最初のページに 二人が描いた同じ場所

あの「越すに越されぬ大井川」で有名な金谷の風景が見開きで比較できます。

北斎は荒れる波の様子 広重は穏やかな流れの大井川。

 

そして、次のページは ある部分が拡大されて 何が描かれているでしょう?

・・という質問。

何回も観たことのある絵だけど こんな風に拡大されると

更に二人の絵に対する特徴が顕著に分かります。

 

北斎と言えば 「神奈川沖浪裏」が一番にイメージされる人も多いでしょう。

ベロ藍を存分に生かした彼の描く波、滝というのは 動きが強調されていて

諸国滝巡り編では しぶき、音が恐ろしさと共に感じらるようで圧倒されます。

 

そして、青一色で描かれたものが多い彼の代表作「富嶽三十六景」

本書の解説で気づいたけど 何かの間から富士を描いたものが多く

私にも 富士山を覗いているかのような旅人気分にさせてくれます。

 

以前、何かの本で 指南書みたいな本で北斎は

「大体の絵は 定規とコンパスで描ける」と言っていて

いやいや、それは無理でしょ!と思ったけど

彼の手にかかると見事その通り!

数学における図形のセンスが優れていた彼ならではの手法なのでしょうね。

 

そして、広重。

三嶋における早朝の様子で 主要人物ははっきりと

しかし人物をシルエットでぼかす手法は見事!

 

また彼も北斎同様、様々な風景をあらゆる角度から描かれていて

実際に広重になった気分で彼の目線でその風景を確かめたくなって

私は街歩きの楽しさを知ることが出来ました。

 

今回、初めて観た絵として印象的だったのは

広重による身体全体を使った「即興かげぼしづくし」シリーズ。

影絵を造るのに 裏でこんな格好をしてるのかと思うと

ユーモアいっぱいの苦労に思わず笑ってしまいました。

 

彫り板に紙と色を重ねていくという刷り師さんの真似事をやったことがあるけれど

未だにどういう過程で色が重ねられていくのか?が理解出来てない私。

絵師も凄いけど 彫師さん、刷り師さんの才能があってこその浮世絵なのだから

もっと全面に出てもいいのではと思うんですけどね。