梶よう子さんの「広重ぶるう」をいつも行かない図書館借りた時
同じ棚の列に他2冊、絵師の本を見つけました。
まずはこちら↓
北斎はもちろん、登場しますが
主人公という訳ではなく・・
かと言って誰か一人が主人公という訳でもなく・・。
北斎の絵に魅せられ 小布施から江戸に来ていた将来高井家を継ぐ三九郎。
惣領息子ということもあって お坊ちゃま気質だけど 素直で真っすぐで好印象。
(小布施と北斎・・と言えば あの天井絵ですよね)
身なり、金に構わず絵を描くことしか興味がない北斎 そして娘のお栄。
そして、美人画を描かせたら当代随一と言われたチャラ男キャラの
善次郎こと渓斎英泉。
この3人と温室育ちの三九郎との出会いの場面は
そのギャップに何だか笑っちゃいました。
でも、今まで出会ったことのない3人との出会いが
三九郎の浮世絵熱を刺激することに。
北斎と言えば 金には興味がない一方で
孫の放蕩に苦しめられたという話を聞いたことがあって
蓄財には興味がなかっただろうけど
借金に苦しめられたんだろうな~と気の毒に思っていました。
しかし、本書で登場する孫の重太郎は 今までの印象とはちょっと違っていて
天才、北斎を祖父に持つが故の苦しさ、哀しさを感じました。
北斎、お栄は 春画を描く絵師でもあり
父娘でありながら お互いに どんな会話をしていたのだろうと
その親子関係が不思議ではあったけど
親子というより 尊敬する師匠と信頼する弟子みたいな関係だったのかな~と。
絵を観る時に 純粋に絵だけを見るというのもアリだけど
絵師の背景を知って絵を鑑賞してみると
また違った風景、人物が見えてくる気もするので
絵師の小説を読むのも楽しいものです。
・・と言うことで 梶よう子さんの絵師の小説をもう1冊。