前記事『六月の雪』を読んでから

乃南アサさんによる台湾紀行のこの本を読みました。

 

 

美麗島とは台湾のことなんですね。

 

 

台湾にこんなにも日本が深く関わっていたことを私は全く知らなかったです。

それは知ろうともしなかった私にも原因がありますが

学校の授業でも習った記憶はありません。

 

だけど、この本にある事実は台湾では教科書にも載っているらしく

著者の乃南さんも仰っていますが

「現代日本人がまともに教えて来られなかった日本の歴史を台湾で知ることになった」と。

 

台湾の人々の心に深く刻まれていることで

私の印象に残っていることを いくつか挙げてみると・・・

 

・台湾の地を守るために21歳で空に散り

 今では神様として祀られている日本兵「飛虎将軍」こと杉浦茂峰。

 

・教育を受けた時代の違いにより一つの家族でありながら

 世代間で言葉が通じないことがある事実。

 

・家族全員が日本語を話す家に認められている「国語の家」という表札。

 

・日清戦争後 下関条約により

 清朝から割譲され 日本は台湾を敗戦まで50年間植民地化してきた歴史があり

 「○歳まで日本人だった」と仰る日本統治下で生きていた年配の台湾人。

 

・現在、一大ブームになっている日本統治時代の建物の再利用である文化創意(文創)。

 

・台湾の教科書にも載っているダム建設をした日本人の八田與一。

 

・・など全て日本が関わっていて

台湾の至る所、人々の心に 遺していることが多いのに

戦後の日本の学校教育では全く教えていないんですよね。

 

乃南さんは「どうしても台湾の人達を巻き添えにした」という感覚が拭えないと仰っていて

それはこの本を読み進めるうちに 私も感じていたことでした。

 

 

そして、終戦後、日本は「敗戦国」となり 日本人は台湾から引き揚げることに。

ある台湾人の女性の方が

「今まで一緒だった友だちと引き裂かれるということで辛かった」と仰るお話は

台湾人、日本人という区別を超えて 切なくなります。

当時、台湾人なのに 自分が日本人だと思っていて

日本に行くんだと思っていた子供もいたとか。

 

戦後は「光復」となったはずの台湾だったけど

その後 蒋介石率いる国民党により新たな辛苦が降りかかることに。

「二・二八事件」という事件など 私は初めて乃南さんの本で知りました。

 

 

台湾の人達に親日派が多いのは

日本が去った後の苦難があまりにも大きく

その反動もあるとあり

親日派と聞いて 単純に喜んでいた無知な自分が恥ずかしくなりました。

 

もう1冊乃南さんの台湾紀行の本を借りているので

この後読むつもりです。