引き続き「日経おとなのOFF」で

今日は<国宝、運慶、北斎>特集です。

 

運慶に関しては 2年前にあった東京国立博物館の<運慶展>を思い出します。

 

1180年の平重衡による南都焼き討ちが運慶派の活躍のきっかけになるとは

歴史の皮肉を感じます。

 

トーハクでもありましたが

X線という現在の技術が浮き上がらせた仏像内の<心月輪>の形の美しさ、魂、意味

失うリスクを考えた形状によって

目に触れない部分にも心を砕いた運慶の革新力に息をのむという感じでした。。

自分の技術力を誇ることもなく ひたすら仏像に向き合った運慶だったのですね。

 

<心月輪>とは「清らかに輝く満月のような心、清浄な悟りを開いた心のこと」だそうで

密教では仏像と共にそれを拝む人間にも<心月輪>があるんだそうです。

あ~、煩悩だらけの私にも<心月輪>があるんだろうか・・・・。

 

そして、北斎画です。

水・風・音という形のないものを描く北斎絵画に対する表現として

「部屋に飾るなら広重、たまに観るなら刺激的な北斎」という表現があって

確かに!と思いました。

まぁ、我が家には広重を飾る部屋もないんですけどね・・・。

 

晩年の絵は「神秘の国、日本」への興味を促し

共感を覚えた外国人も多いようです。

漁師と樵(きこり)を描いた『漁樵図』を観た高齢の米国人が

「もっと生きていられたら もっと上手な絵師になれるのに」と言ったとされる北斎に

共感を感じて涙を流したんだそう。

 

モネ・ゴッホ・セザンヌ・ドガと云った西洋美術家たちが

伝統的な型を打ち破るきっかけとなったのが北斎漫画とされ

モチーフとなった絵との比較は楽しかったです。

 

北斎が西洋画からの影響を強く受けていたとされるオランダの博物館所蔵の水彩画もあって

日本橋・江戸城・富士山が描かれていて

だけど、この絵には北斎の特徴が見られず 確定はまだ出来ないとのこと。

でも、この絵はシーボルトが日本から持ち帰ったものなので

もしかしたら・・・?

何だかロマンを感じますね~。

 

 

この前読んだ俵屋宗達が描いた『風神雷神図』にもふんだんに使われていた<金>ですが

日本人が金に価値を持つようになったのは

中国の後漢の皇帝が当時の奴国に授けた<金印>だそうで

ここで初めて<金>に価値があると認識したんだそうです。

 

今現在の宗教観、価値観があの時代から受け継がれていたんだなと

知ることが出来た今回の「日経おとなのOFF」でした。