オリーブのほぼ読書日記

オリーブのほぼ読書日記

ようこそ、独り言のこのブログへ。
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読書大好き!
ニコニコ

図書館も大好きで 出来れば住みたいくらい!
ノンフィクションものを読むことが多いです。

更にここ数年は日本史関連の本が多くなってきました。
特に何故か江戸時代に新鮮さを感じつつ郷愁も感じております。




そして、小田和正さんが大好きなので

時々書いてます。
音譜




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有吉佐和子さんの本はこれで何冊目でしょうか。

 

社宅内の人間関係に悩まされる主婦が主人公という

今まで読んできたのとは毛色が違った作品ということで

予約を入れておきました。

 

私自身は夫が転勤族ではありましたが

本書の音子が住んでいるような所謂、社宅団地のような場所ではなかったので

隣近所中に 会社内での夫の立場が比較されて

悩まされるようなことがなかったのは

幸いだったと言えるのかもですね。

 

こんなにも お互いに家の経済状態や生活様式が知れ渡っていると

そこにはどうしてもマウントの取り合いが生じ

いくらそんなことは気にせずにいればいいのだと思っていても

こんな状況下だと実際、周囲の目を気にせず生活していくのは至難の業かも。

そこに子供の成績が絡むとなると…。

 

本書の音子はかなりの口の軽さにより

被害者意識が生じて自身を窮地に陥らせている面もあるのだけれど

それに気づかずにいることが滑稽でもあります。

 

最初はそこに不快感もありながらも

いつか自分を顧みることになるのだろうかと読み進めていくことに。

 

時代は高度成長期。

結婚後に女性が働くなどほとんどなく良妻賢母が推奨されていた当時。

音子自身もそれは自覚があるようで

だからこそ 夫の出世や子どもの成績上昇に全力を尽くすことが使命という意識が強く

「だって、私にはそれしかないんだもの」と言っています。

それを閑という一言で片づけては気の毒だけど…


 

中立な目線で言えば何を馬鹿なことをという感じですが

自身に置き換えてみれば

形は違えども 誰にでもそういう思考って今もあるのではないかな。

 

自分たち家族より劣っていたはずだった家庭に

焦る音子の矛盾した感情への皮肉を

あまり熱心に悩んでいない夫に言わせている有吉さん。

一方、冷静になるどころか 更にヒートアップして悩む音子。

 

音子の言動は確かに度を越えているとは思うけど

すっかり子育ても終わって そういうことから解放された今

視界が狭くなってしまう感情には同情の気持ちも沸き上がってきます。

 

最後は収まる処に収まる訳ですが

嫉妬やプライドやコンプレックスが空回りする様子を

ユーモアと共に皮肉で描かれた小説で

思わず自分に重ね合わせて苦笑しながら読み終わりました。

 

それにしても この本の前に命を懸けた戦争中のお話を読んでいたこともあって

それと比較して

戦後、20年くらいで日本はこんなにも変わっていたんだと

改めて驚くばかり。

 

そう言えば、戦後生まれと思しき昭和40年代の若者へ

「昭和20年8月15日は何の日でしょうか?」というインタビューで

「しらな~い」という人がいてかなり驚きました。

まぁ、そういう人を選んで放送したってこともあるでしょうが。。

 

本書に登場する主婦たちは戦争を経験してきた30代のようで

「電気洗濯機、掃除機、冷蔵庫が当たり前にあってまるで女中を雇っている身分だ」

と言っていて

日本の急速な経済成長を感じたりもしました。

 

今日、3月3日は娘の誕生日。

36年前の前日3月2日から陣痛で苦しんでいたことを思い出します。

あれから色々なことがあって 思春期~20代前半の時期

親子で悩みに悩んだ日々がありましたが

今や遠くなったあの頃が懐かしいやらです。

 

さて、先月の読書結果です。

 

2月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:3653
ナイス数:442

東京 ぶらぶら親子さんぽ東京 ぶらぶら親子さんぽ感想

読了日:02月01日 著者:大田垣晴子

 


新装版 人間の証明 (角川文庫)新装版 人間の証明 (角川文庫)感想

読了日:02月04日 著者:森村 誠一,角川書店装丁室

 


飢餓海峡(上) (新潮文庫)飢餓海峡(上) (新潮文庫)感想

読了日:02月07日 著者:水上 勉

 


飢餓海峡(下) (新潮文庫)飢餓海峡(下) (新潮文庫)感想

読了日:02月08日 著者:水上 勉

 


横濱 56 特集:横浜の地図を楽しむ (2017年春号)横濱 56 特集:横浜の地図を楽しむ (2017年春号)感想

読了日:02月09日 著者:神奈川新聞社

 


目には目を目には目を感想

読了日:02月11日 著者:新川 帆立

 


アド街百景 出没!アド街ック天国30周年記念メモリアルブック (旅の手帖MOOK)アド街百景 出没!アド街ック天国30周年記念メモリアルブック (旅の手帖MOOK)感想

読了日:02月12日 著者:テレビ東京・ハウフルス

 


世界の「なぜ?」が見えてくる 大人の世界史 超学び直し世界の「なぜ?」が見えてくる 大人の世界史 超学び直し感想

読了日:02月14日 著者:すあし社長

 


婚活マエストロ婚活マエストロ感想

読了日:02月17日 著者:宮島 未奈

 


暁星暁星感想

読了日:02月19日 著者:湊かなえ

 


普天を我が手に 第一部普天を我が手に 第一部感想

読了日:02月24日 著者:奥田 英朗
 

戦争関連の本は 知っていると思っていても

「人間の証明」「飢餓海峡」「普天を我が手に」といった小説として読むと

当時の人々の怒り、諦めをまるで自分事のように身近に感じ

胸が苦しくなりました。

 

そして世界に目を向けてみると

つい先日には 米国とイスラエルによるイラン攻撃があって

報復攻撃が懸念されますし

ロシアによるウクライナ侵攻は未だ解決せずだし…。

先月、すあし社長著の「大人の世界史」を読みましたが

なぜ?という意識もしなかった自分の無知を知ったこの機会に

色々なことを知っていきたいなと思う今日この頃です。

 

『普天を我が手に』第一部と同時に借りることが出来た第二部を

早速読んでみました。

 

 

第二部はたった1週間しかなかった昭和元年生まれの子供世代目線で描かれています。

ちょうど彼らの思春期に戦争に突入した日本。

 

・アメリカに渡っていた竹田志郎。

敗戦時にアメリカで捕虜として危うく命を失いかけ辛うじて帰国。

東大進学後、同学の共産主義者にソ連との連帯を求められるが

 

 

・戦争間際の同僚の死を背負って

戦後、人間魚雷回天特攻隊員の生き残りとして復員した矢野四郎。

義父の威光もあって 任侠社会に戻っていくのかと危ぶまれたが。

 

 

・戦後、津田塾の学生の傍らGHQで英語通訳をしながら 教会で孤児院を運営する森村ノラ。

男尊女卑社会の日本からの脱却へと導く民主主義社会のアメリカの姿に

皮肉さを感じながらも 感動。

戦争トラウマで苦しむ人々の姿も目にすることに。

 

 

・敗戦後、五十嵐満がいた満州はソ連の捕虜に。

何とか脱走を試み満州を離れたものの 逃げ続ける内に

日本人への中国人たちの恨みで処刑される直前に命拾いし日本へ帰国。

満州で培った芸能が彼を支え

荒廃した日本のエンターテインメントの礎となるのか。

 

あの戦争が辿っていった日本の結末を知っている者としては

戦争末期、敗戦へと向かう日本の姿が切なくて…

 

敗戦直後、国内外の日本国民がこんなにも苦しんでいることに胸が苦しくなりました。

戦中は 有無を言わせず従わせたのに

まるで棄民政策を彷彿とさせるかのように

自力で立ち直れと言わんばかりの無能になり下がった政府に怒りが湧いてくる一方で

民主主義を主導したのが

日本人を見下す進駐軍のアメリカの力が大きかったという皮肉。

 

戦中戦後、矛盾と戦ってきた4人が

五十嵐満率いるジャズ楽団が参加するクリスマスイブパーティで再会するシーンで

第二部は終わります。

 

きっと第三部で日本に蔓延っている矛盾や怒りを立て直してくれることを期待したい!

 

で、すぐにでも第三部にいきたい所ですが

まだ少し順番待ちが必要なので そこは我慢。

 

…ということで 第三部を読む頃には

第一部、第二部のこの備忘録が役に立つでしょう。