京都市交響楽団 滋賀公演 阪哲朗 ベートーヴェン 交響曲第7番 ほか | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

びわ湖の春音楽祭2023 ~ウィーンの風~ 30-3-L

 

【日時】

2023年4月30日(日) 開演 13:00

 

【会場】

びわ湖ホール 大ホール (滋賀県)

 

【演奏】

指揮:阪哲朗

ソプラノ:老田裕子 *

管弦楽:京都市交響楽団

(コンサートマスター:石田泰尚)

 

【プログラム】

モーツァルト:モテット「踊れ、喜べ、汝幸いなる魂よ」 K.165 *

ベートーヴェン:交響曲 第7番 イ長調 op.92

 

 

 

 

 

びわ湖ホールで開催された、びわ湖の春音楽祭を聴きに行った。

二公演聴いたうちの二つ目(なお一つ目はこちら)。

オーケストラは京響、指揮は1968年京都市生まれで2023年よりびわ湖ホールの芸術監督を務める指揮者、阪哲朗。

ソリストは、ソプラノの老田裕子。

 

 

 

 

 

前半のプログラムは、モーツァルトの「エクスルターテ・ユビラーテ」。

この曲で私の好きな録音は

 

●シュヴァルツコップ(Sop) ジュスキント指揮 フィルハーモニア管 1948年5月セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube1234

●バトル(Sop) プレヴィン指揮 ロイヤル・フィル 1985年セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube

●ボニー(Sop) ピノック指揮 イングリッシュ・コンサート 1993年9月セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube1234

 

あたりである。

さすがの貫禄をみせるシュヴァルツコップ、明るくコケティッシュなバトル、敬虔な感じのするボニー。

3人とも本当に美しく、他の演奏が聴けなくなってしまう。

 

 

今回の老田裕子&阪哲朗&京響の演奏は、やはり上記3盤に敵うものではなかったけれど、それでも爽やかな軽めの歌声はこの曲に合っていた。

曲間のトークによると、老田裕子は当日のリハーサルでオーケストラと1回合わせたきりで、本番に臨んだとのこと。

プロは大変である。

 

 

 

 

 

後半のプログラムは、ベートーヴェンの交響曲第7番。

この曲で私の好きな録音は

 

●トスカニーニ指揮 ニューヨーク・フィル 1936年4月9,10日セッション盤(CD

●フルトヴェングラー指揮 ウィーン・フィル 1950年1月18,19日セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube1234

●C.クライバー指揮 バイエルン国立管 1982年5月3日ミュンヘンライヴ盤(NMLCDYouTube1234

●カラヤン指揮 ベルリン・フィル 1983年12月1-3、5日セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube1234

●西本智実指揮 ロイヤル・フィル 2009年9月22日東京ライヴ盤(CD

 

あたりである。

軽快なリズムを持つ曲ではあるが、重量感のあるところから出発して、最後のクライマックスの熱狂へと連れていってくれる演奏が好み。

その“重み”を経るからこそ、最後の熱狂が感動的なものとなる。

 

 

今回の阪哲朗&京響は、3年前にセンチュリー響で聴いたときと同様(その記事はこちら)、全曲を通して速めのテンポによる颯爽としたスマートな演奏だった。

上記名盤たちとは対照的な解釈である(クライバーでいうと上記バイエルン国立管盤ではなく、比較的おとなしいウィーン・フィルとのセッション盤に近いか)。

それでも、ベートーヴェンらしいエネルギーは感じられたし、また(ウィーン国立音楽大学指揮科で研鑽を積んだだけあって)どことなくウィーンらしさもあった。

ピアノの佐藤卓史を指揮者にしたような感じか。

ともあれ、今回の音楽祭のテーマである“ウィーンの風”に相応しい演奏だったように思う。

 

 

 

 

 

余談だが、今回のびわ湖の春音楽祭では“ウィーンの風”というテーマに合わせてオーストリア物産展もやっていたので、ミニ・ザルツブルク音楽祭に来たようで楽しくなり、オーストリアのお酒やはちみつなどつい色々買ってしまった。

ザルツブルク音楽祭にもいつか行ってみたいものである。

 

 


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