大阪フィルハーモニー交響楽団 第565回定期 レイランド R=コルサコフ シェエラザード ほか | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

大阪フィルハーモニー交響楽団

第565回定期演奏会

 

【日時】

2023年2月17日(金) 開演 19:00

 

【会場】

フェスティバルホール (大阪)

 

【演奏】

指揮:デイヴィッド・レイランド

管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団

(コンサートマスター:崔文洙)

 

【プログラム】

ストラヴィンスキー:管楽器のための交響曲

モーツァルト:交響曲 第40番 ト短調 K.550

リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」 作品35

 

 

 

 

 

大フィルの定期演奏会を聴きに行った。

指揮は、1979年ベルギー生まれの指揮者、デイヴィッド・レイランド。

 

 

 

 

 

最初の曲は、ストラヴィンスキーの「管楽器のシンフォニー」。

この曲で私の好きな録音は

 

●R.クラフト指揮 コロンビア響 1966年10月セッション盤(Apple MusicCD

●デ・ワールト指揮 オランダ管楽アンサンブル 1974年4月セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube

●ブーレーズ指揮 ニューヨーク・フィル 1975年10,11月セッション盤(Apple MusicCD

●ヴェルザー=メスト指揮 ロンドン・フィル 1993年2月3-5日セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube

●ブーレーズ指揮 ベルリン・フィル 1996年2月セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube

●R.クラフト指揮 20世紀クラシック・アンサンブル 2001年セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube

 

あたりである。

 

 

今回のレイランド&大フィルの演奏からは、上記名盤たちのようなクリアな響きは聴かれなかったけれど、大フィル管楽器奏者たちの名人芸は楽しむことができた。

 

 

 

 

 

次の曲は、モーツァルトの交響曲第40番。

この曲で私の好きな録音は

 

●ワルター指揮 ベルリン国立歌劇場管 1929年1月23日セッション盤(CD

●フルトヴェングラー指揮 ウィーン・フィル 1944年6月2,3日放送用録音盤(NMLApple MusicCD

●フルトヴェングラー指揮 ウィーン・フィル 1948年12月7,8日、1949年2月17日セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube1234

●ワルター指揮 ウィーン・フィル 1952年5月18日ウィーンライヴ盤(CD

●ワルター指揮 ニューヨーク・フィル 1953年2月23日セッション盤(Apple MusicCD

●ワルター指揮 コロンビア響 1959年1月13,16日セッション盤(Apple Music

●アーノンクール指揮 アムステルダム・コンセルトヘボウ管 1983年6月セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube1234

●バーンスタイン指揮 ウィーン・フィル 1984年1月ウィーンライヴ盤(NMLApple MusicCDYouTube1234

 

あたりである。

 

 

ワルターの3種のセッション盤およびウィーンライヴ盤は、メランコリックにたっぷりと歌う、この曲の規範ともいうべき演奏。

そのアンチテーゼともいうべき、デモーニッシュに疾走するフルトヴェングラー盤。

そして、ワルターのやり方はバーンスタインに、フルトヴェングラーのやり方はアーノンクールに受け継がれている。

 

 

今回のレイランド&大フィルは、速いテンポで駆け抜ける演奏で、その意味では上記のうちフルトヴェングラーやアーノンクールに近い。

ただ、デモーニッシュな“毒”は感じられず、あの有名な第1楽章の主要主題がさらっと通り過ぎて何とも素っ気ない。

まぁ、世の多くの演奏が同様であり、こんなものかもしれない。

ノンヴィブラートによる古楽器奏法を採っていたのは、爽やかで良かった(もう少し音の洗練があればなお良かったが)。

また第3、4楽章については、曲調のためかけっこう激しさもあって、なかなか良かった。

 

 

そして何より、田中玲奈のフルートが繊細にして芳醇、大変素晴らしい。

第3楽章の主部の終わりのひとくさりなど、何でもないパッセージでも彼女が吹くとぱっと華やぎ、モーツァルトらしくなる。

まさに大フィルのパユである。

それにしても、モーツァルトは交響曲であっても、楽器をマスとしてだけでなく個別にもしっかり活かすような音楽の書き方をした人であった、とつくづく気づかされる。

 

 

 

 

 

休憩を挟んで、最後の曲は、リムスキー=コルサコフのシェエラザード。

この曲は私には苦手曲で、好きな録音もまだないのだが、2019年に聴いたソヒエフ&N響の実演は素晴らしく、この曲の魅力に近づかせてくれた(その記事はこちら)。

 

 

今回のレイランド&大フィルは、それなりによくまとめられてはいたものの、上記ソヒエフ&N響と比べると金管の鳴らし方などぼてっとしていて、あまり楽しめず。

やっぱり苦手曲だと思ってしまった。

それでも、弦でたっぷり歌わせる箇所などは明るい音色で美しく、指揮者のルーツであるベルギーを感じさせてくれた。

 

 

 

(画像はこちらのページよりお借りしました)

 

 


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