今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。
好きなピアニスト、務川慧悟の新しい演奏動画がアップされた。
動画はこちら。
ROHM CLASSIC SPECIAL トーク&コンサート 務川慧悟の仏蘭西日記 (curtaincall.media)
2022年1月7日(金)
ドビュッシー:前奏曲集 第2集 より 「風変わりなラヴィーヌ将軍」
サティ:ピカデリー
モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第9(8)番 イ短調 K.310 より 第1楽章
ショパン:バラード 第4番 ヘ短調 op.52
ラヴェル:夜のガスパール
ドビュッシー:前奏曲集 第2集 より 「花火」
以上である。
「仏蘭西日記」という副題の通り、全てフランスにちなんだプログラムとなっている。
録音の音質はいまひとつだが、演奏は素晴らしい。
ドビュッシーにサティ、彼の自家薬籠中の物といったところ。
モーツァルトも彼に合った曲で、美しい切迫感がある。
ショパンのバラード第4番は、私の好きな
●中川真耶加(Pf) 2015年10月11日ショパンコンクールライヴ(動画)
●牛田智大(Pf) 2021年10月10日ショパンコンクールライヴ(動画) ※動画の4:42~
あたりの情熱的な演奏とはまた違った、ショパンのフランスらしい側面に光を当てたようなクールな解釈で、こういうのも悪くない。
ラヴェルの「オンディーヌ」、これはラヴェルの曲の中でも一、二を争うほど好きな曲。
ラヴェルを得意とする務川慧悟だけあって大いに期待したが、好きな曲だと贅沢になってしまうためか、私の好きな
●天川真奈(Pf) 2015年11月25日浜コンライヴ盤(CD)
に聴かれる右手の和音音型の繊細さ、絵画のような幻想的な空気感がもっと欲しくなってしまう。
また、「絞首台」は良いが、「スカルボ」は(相当弾けてはいるものの)連打の音抜けが少々あるのと、全体におとなしめであり、
●ポゴレリチ(Pf) 1982年10月セッション盤(NML/Apple Music/CD/YouTube)
●ロルティ(Pf) 1988年セッション盤(NML/Apple Music/CD/YouTube)
●シュフ(Pf) 2008年9月セッション盤(NML/Apple Music/CD/YouTube)
●グロヴナー(Pf) 2011年4月23-26日セッション盤(NML/Apple Music/CD/YouTube)
●ノ・イェジン(Pf) 2015年11月24日浜コンライヴ盤(CD)
あたりのような悪魔的な雰囲気やキレがもう少しあると良いか。
ただ、録音の音質が良くないのも原因かもしれない(生で聴いたら印象が変わるかも)。
あるいは、ほぼ無観客の公演なので、乗り切らなかった面もあるか。
エリザベートコンクールでのショスタコーヴィチなど(その記事はこちら)、“ゾーン”に入ったときの彼の表現力はすごく、いつか有観客のライヴで彼の最高の「夜のガスパール」が聴いてみたいものである。
曲間では彼の飾らないトークも聞ける。
彼の一番好きな曲はラヴェルのピアノ協奏曲とのこと。
彼のイメージにぴったりの曲であり、これまたいつか聴いてみたい。
なお、前回の演奏動画もぜひ(下記リブログ元の記事)。
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