(石井楓子のデビュー盤 ブラームス ピアノ・ソナタ第3番 4つの小品op.119) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。

好きなピアニスト、石井楓子のデビュー盤が発売された(CD)。

曲目は、ブラームスのピアノ・ソナタ第3番、ハイドンのピアノ・ソナタ第42番、ブラームスの「4つの小品」op.119である。

詳細は以下の通り。

 

 

 

 

 

 

 

Fuko Ishii

Brahms | Haydn

 

Johannes Brahms (1833–1897)

Klaviersonate Nr. 3 f-Moll op. 5

1 Allegro maestoso 8:36

2 Andante espressivo 11:55

3 Scherzo. Allegro energico 5:00

4 Intermezzo. Andante molto 3:21

5 Finale. Allegro moderato ma rubato 8:16

 

Joseph Haydn (1732–1809)

Klaviersonate D-Dur op. 37 Nr. 3 Hob XVI:42

6 Andante con espressione 9:18

7 Vivace assai 3:07

 

Johannes Brahms

Klavierstücke op. 119

8 Intermezzo. Adagio 3:41

9 Intermezzo. Andantino un poco agitato 4:57

10 Intermezzo. Grazioso e giocoso 1:43

11 Rhapsodie. Allegro risoluto 5:09

 

 

Herausgeber: Hochschule für Musik Detmold

Aufgenommen im Februar 2021 im Konzerthaus der Hochschule für Musik Detmold.

 

 

 

 

 

以上、デトモルト音楽大学のサイトより引用した(引用元のページはこちら)。

 

 

下記リブログ元の記事に書いた通り、彼女がデトモルトのブラームスコンクールで優勝したことによるCD製作である。

待ちに待った彼女のデビュー盤。

 

 

ブラームスのピアノ・ソナタ第3番で私の好きな録音は

 

●フアンチ(Pf) 2016年7月22日ニューヨークライヴ(動画

●パク・チェヨン(Pf) 2021年5月11日モントリオールコンクールライヴ(動画) ※動画の17:45~

 

あたりである。

ともにロマン的な美しい演奏だが、今回の石井楓子はさらにドイツ的な味わいを持つ点で、これらにも勝る決定盤といえそう。

ドイツ的といっても力業ではなく、力強くも柔らかな、優しい眼差しのブラームスである。

そういえば、力業のほうの名演も聴いたことがあるが、それは松本和将の演奏だった(その記事はこちら)。

どうやら彼のこの曲のライヴ盤もその後発売されたらしく、そちらも入手しなければならない。

 

 

ハイドンのピアノ・ソナタ第42番で私の好きな録音は

 

●古海行子(Pf) 2017年8月18日ピティナ特級ライヴ(動画

●M.コッテ(Pf) 2020年11月14日ブゾーニコンクールライヴ(動画

 

あたりである。

風を切るような快速テンポ(特に第2楽章)によるこれらの演奏に比べると、今回の石井楓子はより落ち着きがある。

いずれのアプローチも美しく、甲乙つけがたい。

 

 

ブラームスの「4つの小品」op.119で私の好きな録音は

 

●石井楓子(Pf) 2018年4月3日リーズコンクールライヴ(動画) ※動画の7:05~

 

あたりである。

この曲は彼女の実演も聴いたことがあり、大変な感銘を受けたのだった(その記事はこちら)。

これらを超える演奏はないと思っていたのだが、今回の石井楓子の新録音は、なんとさらに上をいく名演となっている。

特に、クララ・シューマンのために書かれたという第1曲。

ヴァーグナーの「トリスタン」第3幕のような灰色の憂鬱に包まれたこの曲を、石井楓子はこれまで以上に遅いテンポで、一音一音細やかに、心の奥深いところまで表現していく。

ブリュートナーのピアノのいぶし銀の音色や、録音の音質の良さも相まって、これ以上の同曲演奏はちょっと考えられない。

 

 

なお、CDを入手するには、デトモルト音楽大学にメールして注文する必要がある。

簡単な英語で丁寧に応対してくれるので助かった。

 

→ 注文はこちらから

https://www.hfm-detmold.de/presseaktuelles/cd-shop/

 

 

 

 

 

Fuko Ishii - J. Brahms: Klaviersonate Nr. 3 f-Moll op. 5 (Album Trailer) - YouTube

 

 

 

 

 

 

 


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