(クラシック倶楽部 務川慧悟 ドビュッシー 前奏曲集第2巻抜粋 ショパン ピアノ・ソナタ第2番) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想でなく、別の話題を。

好きなピアニスト、務川慧悟のテレビ放送を観た(購入はこちら、2021年4月8日まで)。

詳細はこちら。

 

 

 

 

 

クラシック倶楽部 ベスクラ公開 務川慧悟 ピアノ・リサイタル

クラシック倶楽部

 

【出演】務川慧悟(ピアノ)

【曲目】前奏曲集 第2巻から抜粋(ドビュッシー作曲)、ピアノ・ソナタ第2番(ショパン作曲)、組曲「マ・メール・ロワ」から「妖精の園」(ラヴェル作曲/務川慧悟編曲)

【収録】2021年2月13日 相生市文化会館 扶桑電通なぎさホール

 

2021年3月26日放送

(C)NHK

 

 

 

 

 

以上、NHKのサイトより引用した(引用元のページはこちら)。

 

 

ドビュッシーの前奏曲集第2巻からは、第6番「奇人ラヴィーヌ将軍」、第5番「ヒース」、第9番「ピクウィック殿をたたえて」、第11番「交代する三度」、第12番「花火」の5曲が演奏されている。

この曲集の録音では、私は

 

●プラネス(Pf) 1985年セッション盤(Apple MusicCD

 

の、まるでブーレーズの指揮をピアノにそのまま移したかのような、クリアに研ぎ澄まされた演奏がとりわけ好きである。

今回の務川慧悟はプラネスと対照的に、ロマン的な表情付けに満ちた詩的な演奏。

終曲「花火」など、プラネスの明瞭きわまりない演奏に比べるとかなりペダルが多く濁りがちだが、その濁し方はよく計算され、多分に情景描写的である。

同じくパリで研鑽を積んだピアニスト深見まどか(その記事はこちらなど)、それから浜コンで聴いた永康毅(その記事はこちらなど)と並んで、日本が誇る当代最高のドビュッシー弾きの一人と言いたい。

 

 

 

 

 

ショパンのピアノ・ソナタ第2番は、私の好きな録音である、

 

●山本貴志(Pf) 2005年ショパンコンクールライヴ盤(CD

●フアンチ(Pf) 2010年10月ショパンコンクールライヴ(動画

●チョ・ソンジン(Pf) 2015年10月ショパンコンクールライヴ盤(NMLApple MusicCD動画

 

あたりのロマン的でありながらかっちりとソナタらしくもある名演たちと比べると、今回の務川慧悟はテンポ等の表現をその場その場で自由に変える、ソナタというよりは幻想曲といった感じの演奏。

また、第2楽章や第3楽章の中間部の甘いメロディもあまり甘くなく、全体的に印象派風のモノトーンな表現で奏される。

プロコフィエフのヴァイオリン・ソナタ第1番ではないが、「墓場を抜ける風」といった雰囲気。

あまりショパンらしくない印象を受けるが、新しい作風を模索していたショパン中期のこの曲にはふさわしくもある。

 

 


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