上里はな子 前山杏 豊嶋泰嗣 上森祥平 京都公演 ベートーヴェン&ブラームス 弦楽四重奏曲第1番 | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

エンヴェロープ弦楽四重奏団 第2回公演

※ライブストリーミング配信

 

【日時】

2020年6月28日(日) 開演 17:00

※配信期間:2021年1月16日(土)20:00 ~ 18日(月)24:00

 

【会場】

カフェ・モンタージュ (京都)

 

【演奏】

ヴァイオリン:上里はな子 (1st for Brahms)

ヴァイオリン:前山杏 (1st for Beethoven)

ヴィオラ:豊嶋泰嗣

チェロ:上森祥平

 

【プログラム】

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第1番 ヘ長調 op.18-1

ブラームス:弦楽四重奏曲 第1番 ハ短調 op.51-1

 

 

 

 

 

下記リブログ元の記事に書いていた、カフェ・モンタージュのオンラインコンサート配信を聴いた。

上里はな子らによる弦楽四重奏曲の夕べである。

 

 

 

 

 

前半のプログラムは、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第1番。

この曲で私の好きな録音は

 

●ハーゲン四重奏団 2003年1月セッション盤(NMLApple MusicCD

 

あたりである。

今回の上里はな子らの演奏は、これよりもぐんと遅いテンポによる、どっしりしたブラームス風の解釈だった。

やや間延びしがちな箇所もないではなかったけれど、全体的にはなかなか味のある演奏だったように思う。

下記リブログ元の記事に書いた通り、第1ヴァイオリンを担当する前山杏は安定感のある演奏を聴かせてくれるし、ヴィオラの豊嶋泰嗣とチェロの上森祥平も申し分ない布陣。

 

 

 

 

 

後半のプログラムは、ブラームスの弦楽四重奏曲第1番。

この曲で私の好きな録音は

 

●アルカント四重奏団 2007年11月セッション盤(NMLApple MusicCD

 

あたりである。

今回の上里はな子らの演奏は、これに迫る素晴らしさだった。

少なくとも、アルカント四重奏団盤に次いで好きなヴェラー四重奏団盤、クリーヴランド四重奏団盤、ストラーダ四重奏団盤あたりには肩を並べる出来だったように思う。

以前にも書いたように(その記事はこちらなど)、重厚な音を持ち、ブラームスを得意とするヴァイオリニスト、上里はな子。

彼女がこの曲では第1ヴァイオリンを務めたが、これが実に堂に入っていた。

先ほどの前山杏も悪くなかったのだが、上里はな子の手にかかると音楽がぐっと引き締まる。

息の長いフレーズで音楽を捉えているからだろう。

鋭角的に洗練されたアルカント四重奏団に対し、上里はな子らはもっとゆったり構えているが、それでいてだれることがない。

この曲の数年後に書かれた交響曲第1番にも通じるようなスケールの大きい演奏で、巨匠の風格さえ感じさせる。

第1ヴァイオリンが出すぎることのない、4人の調和のとれた演奏だが、音楽全体の印象を形作っているのは彼女に他ならないと感じた。

 

 

 

 

 

同じく上里はな子らが演奏する第6回公演(ベートーヴェン第4番、シューマン第1番)の配信も楽しみである。

 

 

第1~4回公演のトレーラー

 

 

 

 


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