大阪フィルハーモニー交響楽団 第540回定期 飯守泰次郎 ブルックナー 交響曲第6番 ほか | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

大阪フィルハーモニー交響楽団

第540回定期演奏会

 

【日時】

2020年7月22日(水) 開演 19:00 (開場 18:00)

 

【会場】

フェスティバルホール (大阪)

 

【演奏】

指揮:飯守泰次郎 ※ユベール・スダーン来日不可のため変更

管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団

(コンサートマスター:須山暢大)

 

【プログラム】

モーツァルト:交響曲 第35番 ニ長調 K.385 「ハフナー」

ブルックナー:交響曲 第6番 イ長調

 

 

 

 

 

大フィルの定期演奏会を聴きに行った。

指揮は、コロナ禍で来日できないユベール・スダーンの代打として、飯守泰次郎が担当。

関西では専ら関フィルを振る彼が、今回大フィルを振るのは、珍しい機会ではないだろうか。

しかも、曲目は彼得意のブルックナー。

スダーン以上に楽しみだという人もきっといただろう。

飯守泰次郎ももう79歳、少し危なっかしい歩き方に心配したが、それでも背筋はぴんと伸びているし、指揮ぶりは全く矍鑠としている。

元気に代打を務めてくれてありがたい限り。

 

 

プログラムの前半は、モーツァルトの交響曲第35番「ハフナー」。

この曲で私の好きな録音は

 

●アバド指揮 ベルリン・フィル 1991年6月18-20日セッション盤(Apple MusicCD

 

あたりである。

壮麗にして典雅、もうこれしかないという名盤。

今回の飯守泰次郎&大フィルの演奏は、上盤のような颯爽たる勢いや馥郁たるヨーロッパの香りはなかったが、じっくり腰を落ち着けた音楽づくりは好感の持てるものだった。

各楽章の終わりで大きく減速するのは昔風のやり方だが、彼らしくてニヤリとさせられた。

 

 

プログラムの後半は、ブルックナーの交響曲第6番。

この曲で私の好きな録音は

 

●ナガノ指揮 ベルリン・ドイツ響 2005年6月26-28日セッション盤(NMLApple MusicCD

 

あたりである。

曲の緻密な内部構造とドイツ的なロマン性とをともに味わわせてくれる、きわめてバランスの取れた名盤。

今回の飯守泰次郎&大フィルの演奏は、思ったよりはあっさりしたテンポだったが、洗練された上盤に比べるとごつごつしたものだった(一般的にはこちらのほうがブルックナーのイメージに近いのだろう)。

私は実演に接することのなかった、朝比奈隆の時代の大フィルに思いを巡らせてくれる演奏だった。

ただ、朝比奈隆のように金管の柔和な響きを重視するというよりは、硬めの締まった音色でしっかりと強音を鳴らす解釈だったけれど。

 

 

なお、各楽器ではいつもながらヴァイオリン群が美しかったのと、ホルンの高橋将純が好調で終演後の拍手もひときわ大きかった。

朝比奈時代の大フィルとはもはやほとんど違うメンバーだが(ごく一部残るメンバーもいるよう。こちらのページ参照)、私は今の大フィルを推したいと思う。

 

 

余談だが、フルートの田中玲奈が休みから復帰していて、かなり久しぶりに演奏を聴けたのが嬉しかった。

とはいえ彼女の出番は「ハフナー」のほうだけであり、この曲はフルートの出番がそれほど多くなく、なんならハイドンの交響曲第7番「昼」などだったら良かったのに、というのは冗談である。

 

 

 

(画像はこちらのページよりお借りしました)

 

 


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