(鈴木雅明の新譜 バッハ トッカータ全集) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。

好きなチェンバロ奏者、鈴木雅明の新譜が先日発売された。

曲目は、J.S.バッハのチェンバロのためのトッカータ全集である(NMLApple MusicCD)。

詳細は以下の通り。

 

 

 

 

 

 

 


鈴木雅明が満を持してトッカータ集を録音!

SACDハイブリッド盤。好評を博しているイギリス組曲全曲につづく鈴木雅明のチェンバロ演奏、最新録音はバッハのトッカータ集です。
 チェンバロのためのトッカータ集は全7曲存在し、成立はアルトシュタット時代の末期からヴァイマル初期の1706年から1709年頃の作品と考えられております。作風は自由な表現衝動に満ちており、ブクステフーデ体験を経たバッハ青年期の溌剌さを携えます。バッハの権威、鈴木雅明が満を持して録音した注目盤です。なお、楽器は2台のチェンバロのための協奏曲全集、イギリス組曲全集でも使用した1982年ヴィレム・クルスベルヘン制作によるリュッカースのレプリカで演奏しており、自在にして優美な表現が印象的です。
 鈴木雅明によるバッハ独奏作品のチェンバロ演奏は、平均律クラヴィーア曲集第1巻(1996年録音)、ゴルトベルク変奏曲(1997録音)、インヴェンションとシンフォニア(1998年録音)、ファンタジアとフーガ集(1998年録音)、フランス組曲(1999-2001年録音)、6つのパルティータ(2001年録音)、イタリア協奏曲、フランス風序曲、他(2002年録音)、平均律クラヴィーア曲集第2巻(2005年録音)、そしてイギリス組曲をリリースしており、いずれも高い評価を得ております。(写真c Marco Borggreve)(輸入元情報)

【収録情報】
J.S.バッハ:トッカータ集


● トッカータ ト短調 BWV.915(9:43)
● トッカータ ニ短調 BWV.913(12:31)
● トッカータ ト長調 BWV.916(7:56)
● トッカータ ハ短調 BWV.911(10:01)
● トッカータ ホ短調 BWV.914(6:59)
● トッカータ ニ長調 BWV.912(10:50)
● トッカータ 嬰ヘ短調 BWV.910(9:38)

 鈴木雅明(チェンバロ/1982年ヴィレム・クルスベルヘン制作によるリュッカースのレプリカ)

 録音時期:2018年2月
 録音場所:兵庫県、神戸松蔭女子学院大学チャペル
 録音方式:ステレオ(DSD/セッション)
 SACD Hybrid
 CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.0 SURROUND

 BIS ecopak

 

 

 

 

 

以上、HMVのサイトより引用した(引用元のページはこちら)。

 

 

現代最高のバッハ弾き(と私は考えている)、鈴木雅明。

前作のイギリス組曲全集(その記事はこちら)と同様、今作のトッカータ全集も期待通りの出来である。

バッハの初期作品らしい若々しさに溢れつつも、いつものバッハらしい落ち着きをも感じさせてくれる。

トッカータ全集(チェンバロ版)としては、私はこれまでメンノ・ファン・デルフト盤など比較的好きだったけれど、これぞといったものはまだ見つけていなかった。

今回の鈴木雅明盤は、トップに躍り出たと言ってもいいのではないだろうか。

 

 

個々の曲では、例えばニ長調BWV912、終盤の急速アルペッジョなどややもつれ気味のようにも聴こえ、輝かしいスコット・ロス盤や余裕のあるセリーヌ・フリッシュ盤が懐かしくなる。

しかし、バッハらしい風格という点ではむしろ優っており、総合的にはこのBWV912においても鈴木雅明は決してロスやフリッシュに引けを取っていない。

今後もこのペースで(バッハ以外にも)どんどん新譜を出してほしいものである。

 

 


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