日本・ポーランド国交樹立100周年記念
サンテレビ開局50周年記念
「ショパン―200年の肖像」
【会期】
2019年10月12日(土)~11月24日(日)
【会場】
兵庫県立美術館 (神戸)
大フィルの定期演奏会(その記事はこちら)に行く前に、少し時間があったので、神戸まで足を延ばしてショパン展を観に行った。
まず、
・ショパンを題材にした20~21世紀の美術作品
・ショパンと同時代の19世紀のポーランドやフランスの美術作品
が数多く展示されていた(展示の大半がこれ)。
この中での目玉は、アリ・シェフェール作「フリデリク・ショパンの肖像」(1847年)である。
(画像は公式サイトよりお借りしました)
これは日本初公開とのこと。
絵を見てみて、確かにショパンの優美で繊細なところがよく表れているような気がした。
なお、他にドラクロワ作「ジョルジュ・サンドの前でピアノを弾くフリデリク・ショパン」(1838年)の復元画もあった。
(画像はこちらのページよりお借りしました)
この絵は1863-73年頃にショパンとサンドがそれぞれ別々に切り離されてしまったようなのだが、今回はそれが一つに復元されていた(したがって本物ではない)。
上図の黒い部分も補って描かれていた(想像による補完?)。
次に、ショパンの遺品が展示されていた。
その中の目玉は、ショパンの手紙と自筆譜である。
まずは、手紙。
(画像は公式サイトよりお借りしました)
これは、パリに住むポーランド貴族でショパンの友人だったヴォイチェフ・グジマワに宛てた、ショパン自筆の手紙(エディンバラ、1848年10月3日)。
他に、弟子のフォンタナ宛の自筆の手紙も展示されていた。
そして、自筆譜。
(画像は公式サイトよりお借りしました)
これは、エチュード ヘ長調 op.10-8のショパン自筆譜(製本用、1833年以前)。
他に、ポロネーズ ヘ短調 op.71-3(遺作)の自筆譜も展示されていた。
絵は「実物を見なければ本当のすごさは分からない」かもしれないし、演奏は「生を聴かなければ本当のすごさは分からない」かもしれないが、作曲は「自筆譜を見なければ本当のすごさは分からない」わけではない。
文学作品と同じく、たとえ自筆原稿が消えてなくなっても、出版物がある限りその作品は永遠に残る。
その意味では、自筆譜を見てそのすごさに驚愕、とはいかなかった。
それでも、敬愛するショパンの小さな自筆譜に、どことなくオーラを感じた。
それには、展示の仕方も寄与しているかもしれない。
これらの手紙と自筆譜は、真っ暗な部屋の中で特別厳重に管理され、他の展示品とは明らかに扱いが異なっていた。
2年前に観に行った「国宝展」での、「曜変天目茶碗」の特別な扱いを思い出した(その記事はこちら)。
曜変天目茶碗はともかく、ショパンの手紙や自筆譜はまだ200年も経っていないのに、これほど厳重に保存しているとは。
ポーランドが、ショパン関連資料を大切にしていることが窺われた。
最後に、今年はショパンコンクールの年ということで、その関連の資料や映像が展示されていた。
このブースには目玉というほどの展示はなかったが、資料からは興味深い気づきもあった。
ただ、それはこのショパン展の本筋とはあまり関係ないため、また別の記事に書くこととしたい。
今後、2020年2-3月に福岡で、4-6月に東京で、8-9月に静岡で同じ展示が行われるとのこと。
ご興味がおありの方はそちらもぜひ。
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