(上原ひろみの新譜 Spectrum) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。

好きなジャズピアニスト、上原ひろみの新譜が発売された。

彼女としては2枚目のソロ・ピアノ・アルバム(Apple MusicCD)。

CDの詳細は以下の通り。

 

 

 

 

 

Spectrum 【初回限定盤ボーナスディスク付き】(SHM-CD 2枚組)

 

 

【初回限定盤】【SHM-CD 2枚組】
白と黒の鍵盤が紡ぐ、無限の色彩。
世界を駆けるピアニスト=上原ひろみ、10年ぶりのソロ・ピアノ・アルバム。

●2016年、上原ひろみザ・トリオ・プロジェクト名義の『SPARK』が全米ジャズ・チャートで1位を記録。2017年にはハープ奏者エドマール・カスタネーダとのカナダ・モントリオール国際ジャズフェスティバルでの熱狂のライヴを収めた『ライヴ・イン・モントリオール』をリリース、さらには英国BBC主催のイベント「BBC Proms」での演奏が絶賛を浴びるなど、世界規模での活躍を続ける上原ひろみ。
●待望の新作は、『プレイス・トゥ・ビー』(2009年)以来10年ぶりとなるソロ・ピアノ・アルバム。”色彩”をテーマに書き下ろされた新曲7曲に加え、ザ・ビートルズ「ブラックバード」とジョージ・ガーシュウィン「ラプソディ・イン・ブルー」のカヴァーを収録。かつてない美しいピアノの響きと、圧倒的なスケール感と深みを感じさせるパフォーマンス。
●アルバム・タイトル曲の「スペクトラム」は2018年末に「NHK BS4K・BS8K」のPR映像にて演奏されていたナンバー。また「カレイドスコープ」、「ワンス・イン・ア・ブルー・ムーン」は4月からスタートしたテレビ東京「新・美の巨人たち」のオープニング&エンディング・テーマに起用されています。
●「ラプソディ・イン・ヴァリアス・シェイズ・オブ・ブルー」は、「ラプソディ・イン・ブルー」にジョン・コルトレーン「ブルー・トレイン」とザ・フー「ビハインド・ブルー・アイズ」を織り込んだ、22分46秒に及ぶ大曲。
●ピアニストとしても作編曲家としても、さらなる高みに達したことを証明する、「上原ひろみのキャリア最高傑作」と断言できる作品です。
●初回限定盤は、DVD『上原ひろみソロピアノ ライヴ・アット・ブルーノート・ニューヨーク』収録の8曲を初音源化したボーナスCD付2枚組。(メーカー資料より)

【収録曲】
1. カレイドスコープ
2. ホワイトアウト
3. イエロー・ワーリッツァー・ブルース
4. スペクトラム
5. ブラックバード
6. ミスター・C.C.
7. ワンス・イン・ア・ブルー・ムーン
8. ラプソディ・イン・ヴァリアス・シェイズ・オブ・ブルー
9. セピア・エフェクト

上原ひろみ: piano
2019年2月20日~22日、カリフォルニア州ニカシオ、スカイウォーカー・サウンド・ステージにて録音
レコーディング・エンジニア: マイケル・ビショップ
ピアノ調律: 米澤裕而 (Yamaha Artist Services Tokyo)
プロデュース: 上原ひろみ&マイケル・ビショップ

【初回限定盤ボーナスCD】
1. BQE
2. シシリアン・ブルー
3. シュー・ア・ラ・クレーム
4. パッヘルベルのカノン
5. ビバ! ベガス - ショー・シティ・ショー・ガール
6. ビバ! ベガス -デイタイム・イン・ラスベガス
7. ビバ! ベガス -ザ・ギャンブラー
8. プレイス・トゥ・ビー
2010年8月20日、21日、ブルーノート・ニューヨークにてライヴ録音

 

 

 

 

 

以上、HMVのサイトより引用した(引用元のページはこちら)。

 

 

どの曲も良いが、今回の目玉曲は「Rhapsody in Various Shades of Blue」だろう。

上記の紹介文にある通り、ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」に他のブルーに関連した曲を織り込んだ、約23分にも及ぶ大曲。

彼女の曲でこれほど長大なのは、ソロ曲のみならずアンサンブル曲を含めても、多楽章形式の「Music for Three-Piece-Orchestra」くらいのものではないだろうか(この曲も大変な傑作)。

 

 

ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」で私の好きな録音は、

 

●ガーシュウィン(Pf) ポール・ホワイトマン指揮ヒズ・コンサート・オーケストラ 1924年6月10日セッション盤(NMLApple MusicCD

●ワイルド(Pf) グッドマン(Cl) トスカニーニ指揮NBC響 1942年11月1日ニューヨークライヴ盤(NMLApple MusicCD

●ドノホー(Pf) ラトル指揮ロンドン・シンフォニエッタ 1986、87年セッション盤(NMLApple MusicCD

●フレディ・ケンプ(Pf) リットン指揮ベルゲン・フィル 2011年8月セッション盤(NMLApple MusicCD

●グロヴナー(Pf) ジャッド指揮ロイヤル・リヴァプール・フィル 2012年4月16-19日セッション盤(NMLApple MusicCD

 

あたりである。

今回の上原ひろみの演奏は、これらの録音とは異なりオーケストラがなくピアノ単独であり、また編曲版のため、単純には比較できない。

それでも、これらの名盤に匹敵すると言っていいように思う。

彼女のタッチは極めて安定しており、他のジャズピアニストたちとは一線を画しているし、クラシックのピアニストたちと比べてもトップレベル。

それに加え、彼女には原曲そのままでない即興演奏の楽しさがあり、これはクラシックのピアニストたちからは味わえないものである。

彼女渾身の一作ではないだろうか。

 

 


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