(アバド指揮ルツェルン祝祭管の動画 モーツァルト オペラ&コンサート・アリア集) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。

最初は他のことについて書こうと思ったのだが、友人が教えてくれた演奏動画があまりに素晴らしかったので、今回はそちらを取り上げることにした。

クラウディオ・アバド指揮、ルツェルン祝祭管弦楽団による、モーツァルトのオペラ・アリアおよびコンサート・アリアの演奏動画である(歌手はチェチーリア・バルトリ)。

 

 

 

1. アリア「誰が知るでしょう、いとしい人の苦しみを」 K.582

 

2. 歌劇「ティート帝の慈悲」 K.621 より アリア「私は行きます」

 

3. エクスルターテ・ユビラーテ K.165

 

4. 歌劇「フィガロの結婚」 K.492 より アリア「恋とはどんなものかしら」

 

 

バルトリももちろんうまいのだが、少しガツガツしたところがあって、私の思うモーツァルト像とは違う面もある(もしバトルかボニーかマクファデンだったならば言うことなしだったけれど、バルトリも十分良いし贅沢は言うまい)。

一方、アバドの指揮のほうは、軽やかでありながら情感豊かで、しっとりしていながらカラッとさわやか、本当にモーツァルトそのものだと思う。

そして、「ティート帝の慈悲」のアリアでは、なんとザビーネ・マイヤーがクラリネットを担当している。

これがまた、あまりにもうまい。

マイヤーとアバドには、モーツァルトのクラリネット協奏曲の決定的な名盤があるが、それを彷彿させる美しさである。

 

 

アバドは、ベルリン・フィルを振ってモーツァルト主要交響曲集を録音している。

「モーツァルトの交響曲の名演が聴きたい」という人に、私がまず第一に推す盤である。

ただ、第36番まで録音されたのだが、第38~41の4曲は録音されずに終わってしまった(モーツァルト管との録音はあるが、出来はやや落ちる)。

私たち人類にとって、何とも大きな損失である。

さらに言うと、アバドがベルリン・フィルもしくはルツェルン祝祭管を振ってモーツァルトの4大オペラを録音していたら、どれだけすごかったことだろう。

もちろん、ヨーロッパ室内管やマーラー・チェンバー・オーケストラも悪くないのだが、例えば彼がベルリン・フィルと録音したヴェルディのオペラ「ファルスタッフ」の名演に鑑みて、ついそんなことを考えてしまうのだった。

 

 


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