今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。
好きなピアニスト、ルイ・ロルティの新譜が発売された。
彼は1959年生まれのフランス系カナダ人ピアニストで、ショパンのエチュード全集やリストの「巡礼の年」全集、ラヴェルのピアノ作品全集等の録音が知られており、いずれも見事なものである。
今回の新譜の曲目は、フィンジ作曲、ピアノと弦楽オーケストラのための「エクローグ」(NML/Apple Music/CD)。
詳細は以下の通り。
エマーソンSQのチェリスト、ポール・ワトキンス
ジェラルド・フィンジの大作『チェロ協奏曲』!
ナッシュ・アンサンブルのチェリストとして活躍し、現在はエマーソン弦楽四重奏団のメンバー、そして指揮者として活動する「Chandos」専属アーティスト、ポール・ワトキンス。全4巻にわたる「イギリスのチェロ作品集」や、ウォルトン、ディーリアスのチェロ協奏曲集など、英国音楽の素晴らしき録音をリリースしてきたワトキンスが、同じく英国音楽のスペシャリスト、アンドルー・デイヴィスの指揮で、ジェラルド・フィンジの大作『チェロ協奏曲』をレコーディング!
「Chandos」のフィンジ:チェロ協奏曲といえば、1986年に録音されたラファエル・ウォルフィッシュの名盤があるだけに、現在の「Chadnos」アーティストたちによって30余年ぶりに送り出される渾身のフィンジにも期待が掛かります。Chandos SACDの高音質録音や、ルイ・ロルティが弾く『エクローグ』や『大幻想曲とトッカータ』もポイント。英国音楽愛好家要チェックです!(photo by Paul Marc Mitchell)(輸入元情報)
【収録情報】
フィンジ:
1. チェロ協奏曲イ短調 Op.40
2. ピアノと弦楽オーケストラのための『エクローグ』 ヘ長調 Op.10
3. 夜想曲(新年の音楽)嬰ハ短調 Op.7
4. ピアノと管弦楽のための『大幻想曲とトッカータ』 ニ短調 Op.38
ポール・ワトキンス(チェロ:1)
ルイ・ロルティ(ピアノ:2,4)
BBC交響楽団
サー・アンドルー・デイヴィス(指揮)
録音時期:2018年2月3-4日
録音場所:イギリス、ワトフォード・コロシアム
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
以上、HMVのサイトより引用した(引用元のページはこちら)。
ジェラルド・フィンジ(1901-1956)はイギリスの作曲家。
私が彼の曲を聴くようになってまだ間もないのだが、穏やかで美しい「癒し系」の音楽が多い。
1929年に書かれた「エクローグ」も大変美しく、私は
●ピーター・ケイティン(Pf) ハンドリー指揮ニュー・フィルハーモニア管 1977年頃セッション盤(NML/Apple Music/CD)
●マーティン・ジョーンズ(Pf) ボートン指揮イングリッシュ弦楽オーケストラ 1992年6月6-7日、10月11日セッション盤(NML/Apple Music/CD)
●ジェーン・クープ(Pf) ベルナルディ指揮CBC放送管 1998年9月15日ヴァンクーヴァーライヴ盤(NML/Apple Music/CD)
●トム・ポスター(Pf) コロン指揮オーロラ・オーケストラ 2015年7-8月セッション盤(Apple Music/CD)
あたりの録音が好きである。
いずれも、ゆったりと落ち着いた演奏。
それに対し、今回のロルティ盤は速めのテンポとなっている。
美しいメロディを心ゆくまで味わうのでなく、さらっとさわやかに通りすぎていくような演奏である。
フランス風の軽快さ、というべきか。
最初は少し違和感があったが、何度か聴いているとこれはこれでなかなか良い。
テクニック的な安定感は上記のどの盤にも優っているし、オーケストラの質も高い。
この曲の代表的な録音、といってもいいかもしれない。
ただ、しばらく聴いていると、上記4盤のまったりした夢見るような演奏が少し恋しくなってくるのではあるけれど。
なお、「エクローグ」以外の曲はあまり聴き慣れていないが、これらについても悪くない印象である。
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