大阪フィルハーモニー交響楽団 第521回定期 ポーガ プロコフィエフ 交響曲第5番 ほか | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

大阪フィルハーモニー交響楽団

第521回定期演奏会

 

【日時】

2018年9月22日(土) 開演 15:00 (開場 14:00)

 

【会場】

フェスティバルホール (大阪)

 

【演奏】

指揮:アンドリス・ポーガ

ホルン:ラデク・バボラーク *

管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団

(コンサートマスター:田野倉雅秋)

 

【プログラム】

ハイドン:交響曲 第82番 ハ長調 Hob.Ⅰ-82 「熊」

パウエル:ホルン協奏曲 *

プロコフィエフ:交響曲 第5番 変ロ長調 作品100

 

※アンコール(ソリスト) *

ブラームス:トランペットまたはホルンのための練習曲 第3番

 

 

 

 

 

大フィルの定期演奏会を聴きに行った。

ラトヴィア人指揮者、アンドリス・ポーガとの演奏。

 

 

最初の曲は、ハイドンの交響曲「熊」。

普段あまり聴かない曲だが、こうして聴いてみるといつものハイドンらしい朗らかな佳作である。

オーケストラの音も、曲にぴったりのさわやかさ。

奏者同士がバランスよく調和しムラが少なく、昨日聴いたロシアのパワフルなオケとはまた違った室内楽的な魅力がある。

このようなオーケストラが身近にいて毎月のように聴けることに、今更ながら感謝の念を覚えた。

ポーガの解釈も、一般的なものながら少しピリオド奏法を思わせるアタックなどもあり、曲によく合っていた。

 

 

次の曲は、パウエルのホルン協奏曲。

イルジー・パウエル(1919-2007)は、20世紀後半を代表するチェコの作曲家の一人とのこと。

1957年に書かれたというこのホルン協奏曲は、おそらく私は初めて聴いたのだが、耳当たりのいい新ロマン主義的な曲想だった。

ホルン独奏は、ラデク・バボラーク。

かつてベルリン・フィルの首席奏者も務めていた彼は、現代最高のホルン奏者の一人と思われるが、実演でもやはり尋常でない安定感だった。

ただ、私の中で、例えばフルートではハンス・レズニチェクやジュリアス・ベイカーやエマニュエル・パユや田中玲奈、クラリネットではザビーネ・マイヤーやポール・メイエといった、絶対的な位置づけの奏者がいる(いわゆる神様のような存在)。

ピアノや弦楽器でも、そういった存在がいる(きりがないのでここでは書かないけれど)。

それに対し、ホルンではまだそこまでの存在を見つけていない(さすがにデニス・ブレインやペーター・ダムはかなり特別だけれど)。

そのため、バボラークがすごいはすごいでもどれだけすごいのか、そのすごさの程度が私の中でぴたりと定まったというよりは、まだ少しぼんやりしている面がある。

だが、我ながらあきれるほど細かいこのようなことは、本来気にしなくていいことだろう。

曲が違うので確かなことは言えないけれど、これまで実演で何度か聴いたシュテファン・ドール(彼もまたベルリン・フィルの首席奏者)にさえ勝るほどの安定感、完成度の高さと感じた。

 

 

後半のプログラムは、プロコフィエフの交響曲第5番。

この曲の録音では、

 

●ラトル指揮バーミンガム市響 1992年1月24~26日セッション盤(NMLApple MusicCD

●クチャル指揮ウクライナ国立響 1995年2月3~7日セッション盤(NMLApple MusicCD

 

あたりが今のところは好きだが、これらでも物足りない面もある。

カラヤン盤やバーンスタイン盤もそれぞれ個性的だけれど、この曲本来の方向性とは少し違うような気がする。

それこそ、クルレンツィスやネゼ=セガンが振ってくれたら、キレッキレの演奏になりそう。

あるいは、第1番が名演だった西本智実も、もしかしたら合うのかもしれない。

今回のポーガの演奏は、悪くはなかったけれど、特別にキレ味鋭いというほどではなく、まずまずといったところか。

とはいえ、実演でこの曲を聴く機会はそれほど多くないこともあり、楽しめた。

 

 

 

(画像はこちらのページからお借りしました)

 

 


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