フックス 川田知子 直江智沙子 大島亮 辻本玲 京都公演 ブラームス クラリネット五重奏曲 ほか | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

ヴェンツェル・フックス “クインテット”

川田知子×直江智沙子×大島 亮×辻本 玲

 

【日時】

2018年6月29日(金) 開演 19:00 (開場 18:30)

 

【会場】

青山音楽記念館バロックザール (京都)

 

【演奏】

クラリネット:ヴェンツェル・フックス

第1ヴァイオリン:川田知子

第2ヴァイオリン:直江智沙子

ヴィオラ:大島亮

チェロ:辻本玲

 

【プログラム】

モーツァルト:クラリネット五重奏曲 イ長調 K. 581

ブラームス:クラリネット五重奏曲 ロ短調 op.115

 

※アンコール

チャイコフスキー/武満徹:四季 op.37b より 10月 秋の歌 (クラリネット&弦楽四重奏版)

 

 

 

 

 

ベルリン・フィルの首席クラリネット奏者、ヴェンツェル・フックスのコンサートを聴きに行った。

ただし、用事が長引いて前半のモーツァルトに間に合わなかった。

これが一番聴きたかったのに!

残念である…。

 

 

後半は、ブラームスのクラリネット五重奏曲。

この曲で私の好きな録音は、

 

●ヴラッハ(Cl) ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団 1952年セッション盤(NMLApple MusicCD

●ライスター(Cl) ブランディス四重奏団 1996年6月セッション盤(NMLApple MusicCD

●メイエ(Cl) カピュソン四重奏団 2007年7月セッション盤(NMLApple MusicCD

 

あたりである。

今回のフックスの演奏もこれらの名盤に匹敵するかもしれないと予想していたが、ちょっと今回は調子が悪いようだった。

音がかすれ気味で、ときに雑音も混じる。

楽章間や休符のところで、楽器の口から息を吹きかけたり、楽器の中に布を通したりと、懸命にメンテナンスしていたが、楽器の調子は最後のアンコールまであまり変わらなかった。

昨年、ベルリン・フィル八重奏団のときには、彼の演奏はとりわけ素晴らしかったので(そのときの記事はこちら)、今回の不調は残念だったが、まぁそんな日もあるのは仕方がない。

今回、モーツァルトを聴けなくて逆に良かったのかもしれない。

 

 

そんな中でも、特に弱音は大変美しかった。

上記メイエのように、隅々までとことん繊細に表現しつくしていくのとは、少し違う。

一見淡々としているのだけれど、よく聴くとその中にほのかな情感が込められているような、そんな弱音である。

フックスの音には、独墺系のクラリネットに特徴的な、まろやかさもある(A管とかB管とか、そのあたりの詳しいことは私はよく知らないけれど)。

また、速いパッセージでの余裕な吹きっぷりも印象的だった。

 

 

なお、弦楽の4人の演奏もなかなか悪くなかった。

第2ヴァイオリンの直江智沙子は、弾いているときニコニコと楽しそう。

フックスと共演なんて、確かに嬉しい機会かもしれない。

 

 

 

(画像はこちらのページからお借りしました)

 

 


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