松浦愛美 大阪公演 ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第30番 シューマン 交響的練習曲 ほか | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

MOVE21 エクセレントコンサート Vol.240

松浦愛美 ピアノリサイタル

~名曲の愉しみ~

 

【日時】

2018年3月31日(土) 開演 14:00

 

【会場】

守口市生涯学習情報センター(ムーブ21) 1Fエントランスホール

 

【演奏】

ピアノ:松浦愛美

 

【プログラム】

J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻 より 第5番 ニ長調 BWV874

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第30番 ホ長調 op.109

ショパン:バラード 第1番 ト短調 op.23

シューマン:交響的練習曲 op.13

 

※アンコール

J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻 より 第5番 ニ長調 BWV874 フーガ

 

 

 

 

 

昨年に引き続き(記事はこちら)、ブログで読者登録をさせていただいているピアニスト松浦愛美さんのコンサートを聴きに行った。

守口市のムーブ21という会場には初めて来たが、松浦さんのお話にもあったように、教会を思わせるような長い残響が印象的だった。

この響きには特にバッハがよく合っていて、教会で賛美歌でも聴いているような気分になった。

演奏も、軽やかで快いプレリュード、コラールのように荘重なフーガともに大変素晴らしかった。

 

 

ベートーヴェンやショパンも、松浦さんらしいかっちりした禁欲的な特徴がよく出ていた。

ただ、そんな中にも例えばベートーヴェンの第3楽章の変奏主題で、繰り返しの際によりいっそう弱音にすることで、そのぶん高音部の代わりに低音部のメロディラインが際立ってくる、というような工夫も随所に聴かれた。

同じ楽章の第1変奏で、要所要所で1拍目を長めに取り、(3拍子の曲だけれど)時々まるで4拍子のように奏されていたのも印象的だった。

 

 

最後のシューマンは、昨年にも演奏された曲。

基本的な解釈は昨年と変わらないが、全体的にロマン的な要素が増したような印象を受けた。

冒頭の主題の弾き方にしてもそうだし、またところどころに聴かれた、はたと立ち止まって周りを改めて見渡すかのような「タメ」もそうだった。

あるいは、スタッカートによる和音がカノンをなす第4エチュードでは、弱音で始まる歯切れの良い和音が、中間部を経て強音となって再帰する際、ペダルも使いながらの大変ドラマティックな表現になっていた。

昨年は、もう少しあっさりしていたような記憶がある。

表現がこなれてきた、と言っていいのではないだろうか。

会場の違いによる響きの差なども影響しているのかもしれないが。

 

 

余談だが、私にとって作曲家は神、演奏家は伝道師のようなもので、恐れ多くてサイン会などない限りお話しすることはないのだけれど、松浦さんは拙ブログでも時折コメントやリブログなどいただけるブロ友さんということで、意を決してご挨拶してみた。

突然のご挨拶にもかかわらず大変気さくにお話し下さり、感謝感謝である。

 

 


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