佐藤卓史 川島基 京都公演 シューベルト アレグロ D947「人生の嵐」 ロンド D951 ほか | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

「F.シューベルト」
― シューベルト ピアノ作品全曲シリーズvol.9―

 

【日時】

2017年6月17日(土) 開演 20:00 (開場 19:30)

 

【会場】

カフェ・モンタージュ (京都)

 

【演奏】

ピアノ4手連弾:佐藤卓史 & 川島基

 

【プログラム】

F.シューベルト:
序曲 D668
序奏、創作主題による4つの変奏曲とフィナーレ D968A
アレグロとアンダンテ D968
アレグロ D947「人生の嵐」
ロンド D951

 

 

 

 

 

カフェ・モンタージュの「ウィーン音楽祭」。

今回は、生まれも育ちもウィーンの音楽家、シューベルトのピアノ連弾曲集。

シューベルトが若い頃から晩年にかけて書いた様々な連弾曲を、シューベルト国際ピアノコンクールの覇者2人が弾くという、贅沢なひとときである(第10回に川島基、第11回に佐藤卓史がそれぞれ優勝とのこと)。

 

川島基は、実演を聴くのは初めて。

聴いてみると、彼のシューベルトコンクール記念CDでも感じられたことだが(Apple Music)、タッチが強靭ではっきりしている。

シューベルトにしてはやや力強すぎるきらいがなくはないが、そうは言ってもさすがにうまいし、弱音では控えめながら味のある歌心も聴かれた。

 

佐藤卓史は、このカフェ・モンタージュで実演に何度も接しているが、いつも通りの力強さは感じたものの、今回川島基と比べるとややマイルドで、よりシューベルトのイメージに近い印象だった。

また、比較的直線的な演奏の川島基に対し、佐藤卓史は速いパッセージにおいてもそのまま普通に弾くのではなく、微妙なニュアンスをつけるなど工夫して弾いているということに気が付いた。

そのようなそこはかとないニュアンスは、彼のシューベルトコンクール記念CDからも聴くことができる(Apple Music)。

 

そのように、微妙に個性の異なるこの2人のピアニストが、パートを入れ替わりながら弾いているのを聴くと(高音部パートは、1・3曲目は川島基、2・4・5曲目は佐藤卓史)、特徴を比べるだけでも面白く、飽きなかった。

そんな中でも、強靭なタッチと安定したテクニックという点では共通しているこの2人、とりわけアレグロ「人生の嵐」の演奏が聴きごたえがあったように思う。

これほど激しくデモーニッシュで、かつシューベルト得意の美しい転調に溢れている曲だということに、改めて気が付くことができた。

 

この2人の連弾、できればシリーズを組んでこれからも継続してほしいものである。

 

 


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