第15回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール セミファイナル 第3日 | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

アメリカのフォートワースで開催されている、第15回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール(公式サイトはこちら)。

6月3日は、セミファイナルの第3日。

ネット配信を聴いた(こちらのサイト)。

ちなみに、これまでの記事はこちら。

 

1次予選 第1日

1次予選 第2日

1次予選 第3日

1次予選 第4日

2次予選 第1日

2次予選 第2日

セミファイナル 第1日

セミファイナル 第2日

 

 

 

Tony Yike Yang (Canada | Age 18)

 

SCARLATTI Sonata in A Major, K. 212
SCARLATTI Sonata in D Minor, K. 9
CHOPIN Sonata No. 2 in B-flat Minor, op. 35
MUSSORGSKY Pictures at an Exhibition

 

彼らしい、コントロールの利いたこだわりの演奏。

また、独特の抒情性もあって、なかなかに個性的。

「展覧会の絵」など、例えばHsuの演奏が端正なのに比べると、エキセントリックとまでは言わないまでも、変わった表現がところどころ聴かれるが、完成度という点ではほぼ匹敵する。

「市場」など、一部の曲ではHsuのほうがわずかにタッチコントロールが滑らかで余裕があるけれども、概ねひけは取らないと言っていい。

 

 

Yekwon Sunwoo (South Korea | Age 28)

 

BEETHOVEN Sonata No. 30 in E Major, op. 109
STRAUSS-GRAINGER “Ramble on the Last Love-duet” from Richard Strauss’ Der Rosenkavalier
PROKOFIEV Sonata No. 6 in A Major, op. 82

 

彼もまたうまい。

プロコフィエフのソナタ第6番、かなりの演奏。

終楽章は、2015年浜コンのアレクセイ・メリニコフのようなトップスピードではないが、きっちりとムラなく明瞭にコントロールされているのが良い。

余談だが、R.シュトラウスの「ばらの騎士」の幕切れの二重唱のピアノ編曲、おそらく初めて聴いたが、とても美しい曲(原曲がそもそも美しい)。

 

 

Leonardo Pierdomenico (Italy | Age 24)

 

MOZART Piano Concerto No. 20 in D Minor, K. 466

 

よく弾けているが、やや真面目すぎる感じがするのも確か。

もう少し「華」がほしいか。

 

 

Kenneth Broberg (United States | Age 23)

 

MOZART Piano Concerto No. 25 in C Major, K. 503

 

音色の美しさがある。

ただ、流れはやや重く、モーツァルトらしい「玉を転がすような」雰囲気までは出ていない気がする。

 

 

Daniel Hsu (United States | Age 19)

 

MOZART Piano Concerto No. 21 in C Major, K. 467

 

なぜか音質が少し悪い気がする(録音のトラブル?)。

やや判断しづらいが、彼らしいムラのないタッチが、聴いていて心地良い。

 

 

Dasol Kim (South Korea | Age 28)

 

MOZART Piano Concerto No. 20 in D Minor, K. 466

 

彼もまたうまい。

モーツァルトにしては、ロマン派的な「重さ」をわずかに感じるけれども、「これはモーツァルトではない」というほどでなく、特にこの曲なら許容範囲内だと思う。

 

 

セミファイナルもだいぶ進んだ。

あとは、第4・5日を残すのみ。

 

 


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