今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。
今年1月のチョ・ソンジンのコンサートの記事で、私は彼が浜コン(浜松国際ピアノコンクール)で優勝した際に圧倒的な名演を繰り広げたことを書いた。
そして、今回の彼のコンサートももちろん素晴らしかったものの、浜コンのときのような「正統派ピアニスト」らしい端正なアプローチから少し変化し、独特の「クセ」のようなものが出てきたことに、彼の円熟の兆しを感じるとともに一抹の寂しさを覚えた、ということも書いた。
この浜コンの予選の演奏は、全てCD化され私は持っているが、皆にお勧めしたくても今では入手困難となっているのを残念に思っていた(一部はダイジェスト版CDとして販売されているが)。
しかし、そのときの動画が浜コンの公式YouTubeにアップされていることに気が付いた!
そこで、ぜひここに引用させていただきたい。
浜コンで彼が弾いたのは、
【一次予選】
J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻 より 第1曲 ハ長調
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第23番 へ短調 「熱情」 より 第1楽章
ショパン:ポロネーズ 第6番 変イ長調 「英雄」
【二次予選】
西村朗:白昼夢 (*)
ショパン:エチュード op.10-1 ハ長調
リスト:超絶技巧練習曲 第10番 へ短調
シューマン:幻想小曲集 (*)
【三次予選】
モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第12番 ヘ長調 K.332
ショパン:スケルツォ 第2番 変ロ短調
ショパン:スケルツォ 第4番 ホ長調
ラヴェル:水の戯れ
リスト:巡礼の年 第2年 イタリア より 「ダンテを読んで (ソナタ風幻想曲)」 (*)
【本選】
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 「皇帝」 (*)
である。
このうち、(*)の曲の動画はアップされていない(これらの一部は上記ダイジェスト版CDで聴ける)。
動画はこちら。
いずれもみずみずしい感性に溢れた大変な名演であり、ご興味のある方はぜひ一度ご覧いただけたらと思う。
(なお、恩田陸「蜜蜂と遠雷」の感想の記事にも書いたが、「蜜蜂王子」風間塵が弾いたモーツァルトのピアノ・ソナタ第12番をチョ・ソンジンも弾いており、それもこの三次予選の動画で観ることができる)
15歳でここまで弾ける天才ピアニストは、この後どのように「円熟」していったら良いのだろうか…。
余談だが、クレア・フアンチの予選の動画もぜひアップしてほしいものである! (私は彼女の予選CDを三次予選のものしか聴くことができていない)
↑ ブログランキングに参加しています。もしよろしければ、クリックお願いいたします。