多川響子 馬渕清香 岩井英樹 上森祥平 京都公演 サン=サーンス ルクー ピアノ四重奏曲 | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

「G.ルクー」 ― vol.1 ピアノ四重奏―

 

【日時】

2017年1月7日(土) 開演 20:00(開場 19:30)

 

【会場】

カフェ・モンタージュ(京都)

 

【演奏】
ピアノ:多川響子
ヴァイオリン:馬渕清香
ヴィオラ:岩井英樹
チェロ:上森祥平

 

【プログラム】
C.サン=サーンス:ピアノ四重奏曲 変ロ長調 op.41

G.ルクー:ピアノ四重奏曲 ロ短調

 

 

 

 

 

フランスのロマン派を代表する2人の作曲家、サン=サーンスとルクーのピアノ四重奏曲。

サン=サーンスのピアノ四重奏曲は初めて聴いたが、最初に曲目紹介されたように、確かにヴァーグナー「ラインの黄金」の「ラインの乙女の動機」などに共通点が感じられる、アルペッジョ(分散和音)的な主題だった。

その他、どこかメンデルスゾーンやシューマンを思わせる要素も感じられた。

演奏の具合によるものかもしれないが、なかなか重厚な、ドイツ的な要素が感じられる曲だった。

 

後半のルクーのピアノ四重奏曲は、未完ながら、夭逝の天才作曲家ルクーを代表する傑作である。

同時代の作曲家であるマーラーやR. シュトラウスにも共通する、爛熟したロマンが感じられるが、同時に彼らドイツ系の作曲家とはまた少し違った滑らかさ、優雅さもほのかに感じられるのがとても良い(ルクーはベルギー人だった)。

 

演奏は、個々の奏者にそれ以上の技量を求めようと思えば求められるものの、アンサンブルとしての完成度がかなり高く、また熱気にあふれており、これらの名曲を十分に堪能させてくれる演奏だった。

特にルクーの傑作を生演奏で、しかもこんなに間近の席で聴けたのは、実にありがたかった。

 

 


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