ファウスト ベザイデンホウト 兵庫公演 バッハ ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ ほか | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

イザベル・ファウスト (ヴァイオリン)  & クリスティアン・ベザイデンホウト(チェンバロ)

デュオ・リサイタル

 

【日時】

10月8日(土) 15:00 開演

 

【会場】

川西市みつなかホール(兵庫)

 

【出演】

ヴァイオリン:イザベル・ファウスト

チェンバロ:クリスティアン・ベザイデンホウト

 

【プログラム】

J.S.バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第3番 ホ長調 BWV 1016

J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ短調 BWV 1003

---休憩---

J.S.バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第1番 ロ短調 BWV 1014

J.S.バッハ:トッカータ ニ短調 BWV 913

J.S.バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第6番 ト長調 BWV 1019
 

アンコール:

J.S.バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第4番 ハ短調 BWV1017 ~ 第1楽章
J.S.バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第2番 イ長調 BWV1015 ~ 第1楽章

 

 

 

 

 

イザベル・ファウストと、クリスティアン・ベザイデンホウトの演奏会。

ファウストは好きなヴァイオリニストの一人だが、生で聴くのは初めて。

生で聴く音色は実に素晴らしかった。

絹のような柔らかさ、軽やかさ。

バッハにぴったりな音色で、魅了された。

特に、ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタにおいて、この特長がよく表れていた。

無伴奏ヴァイオリン・ソナタももちろん良かったのだが、対位法的な各声部を1台のヴァイオリンで全て弾く、という難しい曲であるためか、ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタほどの滑らかな音は聴かれなかった。

とはいっても、かなり高いレベルでの話であり、もちろん良い演奏であったことに変わりはない。

あるいは、先日の五嶋みどりのコンサートのアンコールで、すさまじいまでに磨き上げられた無伴奏ヴァイオリン・ソナタを聴いてしまったからかもしれない(こちらは第1番のほうのフーガだったが)。

なお、ファウストは緩徐楽章と急速な楽章とで、使う弓を変えており、興味深かった。

 

ベザイデンホウトはフォルテピアノのイメージがあるが、今回はチェンバロである。

チェンバロも、とても上手だった。

ヴァイオリンとのソナタでも、またチェンバロ・ソロによるトッカータも、各声部の弾き分けが鮮やかだった。

モーツァルトとバッハでは、またフォルテピアノとチェンバロでは、かなり違うはずなのに、ともにうまいというのはすごいことだと思う。

 

今回も、とても良いコンサートだった。

最近、良いコンサートが続いており、嬉しいことこの上ない。