京都の秋 音楽祭 開会記念コンサート 京都市交響楽団 下野竜也 マーラー 交響曲第1番 ほか | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

第20回京都の秋 音楽祭 開会記念コンサート

 

【日時】

2016年9月18日(日) 2:00pm 開演

 
【会場】

京都コンサートホール 大ホール

 
【出演】

下野 竜也(常任客演指揮者)
三浦 文彰(ヴァイオリン)

京都市交響楽団(管弦楽)

 
【曲目】

すぎやまこういち:序奏 MIYAKO(委嘱作品・初演)
シューマン:ヴァイオリン協奏曲ニ短調
マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」


※アンコール

服部 隆之:「真田丸」

 

 

 

 

 

今年も秋の京都音楽祭が始まった。

今回はそのオープニングコンサート。

 

1曲目は、すぎやまこういちの委嘱作品。

ごく短い作品で、まぁ彼らしい、特に変哲のない曲だった。

音楽祭のオープニングにはふさわしいのではないだろうか。

 

2曲目は、シューマンのヴァイオリン協奏曲。

シューマン最晩年の渋い傑作である。

この曲は、今までCDを聴いていてもその魅力をしっかり理解することはできなかった。

しかし、今回の演奏はとても良かった。

古典的フォルムを崩さない演奏であり、あくまでドイツ音楽の伝統を継承・発展させようと奮闘していたシューマンにふさわしいし、かつヴィルトゥオジティ(技巧性)よりも内面性を追求した落ち着いたテンポで(特に第3楽章)、この曲の本質的な魅力をしっかりと引き出していた。

また、第2楽章の出だしには、チェロによる美しい前奏があるのだが、このメロディが首席奏者によりソロで奏されており、その美しい効果たるや素晴らしいものだった。

ヴァイオリンの三浦文彰の演奏は初めて聴いたが、てらいのない自然な弾き方で、曲本来の魅力を崩すことなく表現していた。

曲そのものに語らせる、とでもいうような。

この曲の素晴らしさを改めて実感したということもあり、とても感動してしまった。

 

3曲目は、マーラーの交響曲第1番。

この曲の演奏も、はつらつとしていて下野竜也らしく、なかなか良かった。

もしもネゼ=セガンだったら、さらに繊細でさわやかな森の空気を感じさせてくれたかもしれない、などとふと思ってしまったのではあったが。

 

アンコールは、「真田丸」のテーマ。

私は大河ドラマを観ていないため、この曲は知らなかったが、実際にドラマ用に演奏しているのも三浦&下野のペアであるようで、観ている人にとってはとても嬉しいサービスだっただろう。