京都市交響楽団 第603回定期演奏会 ツィガーン マーラー 交響曲第5番 ほか | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

京都市交響楽団 第603回定期演奏会

 
【日時】

2016年7月31日(日) 2:30pm 開演

 
【会場】

京都コンサートホール 大ホール
 

【出演】

ユージン・ツィガーン(指揮)

京都市交響楽団

 

【曲目】
シューベルト:交響曲第7(8)番ロ短調「未完成」D.759
マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調
 

 

 

 

 

京響の定期演奏会。

シューベルトの未完成からして、端正ながらも情熱的な演奏だった。

おそらく、これがツィガーンの個性なのだろう。

 

メイン・プロのマーラー第5番は、先日カンブルラン&読響の名演に大きな感銘を受けたばかりであり、ツィガーンにとってはどうしても不利となる。

しかし、今回の演奏もなかなかよかった。

カンブルランが凄すぎたため、大感動というわけにはいかなかったが、カンブルランとはまた違った良さがあった。

カンブルランのような細部へのこだわり、異様なまでの響きへの執着はみられないが、全体的にすっきりとしたスタイルで、なおかつドラマティックで表情豊かな演奏だった。

有名な第4楽章(アダージェット)など、けっこうな速めのテンポで、かつあまり繊細な弱音に拘らずむしろ朗々と歌わせていて、これはこれでなかなか味わい深かった(この楽章はブルーノ・ワルターとウィーン・フィルによる美しい演奏が録音に残されているが、それを少し彷彿させるようなところがあった)。

全体的に、管楽器の響きにこだわり美しく調和させるというよりは、むしろ弦楽器の表現に光るところがあるといった印象の演奏だった。