鈴木雅明 チェンバロ・リサイタル | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

鈴木雅明 チェンバロ・リサイタル

(第328回神戸松蔭チャペルコンサート <ゼロビート・シリーズ>)

 

【日時】

2016年7月30日(土) 15:00開演

 

【会場】

神戸松蔭女子学院大学 チャペル

 

【演奏】

鈴木雅明(チェンバロ)

 

【プログラム】
J. S. バッハ

《イギリス組曲 第1番 イ長調》 BWV 806

《イギリス組曲 第5番 ホ短調》 BWV 810

《音楽の捧げもの》 BWV1079 より 3声のリチェルカーレ ハ短調

《イギリス組曲 第6番 ニ短調》 BWV 811

 
 
 
 
 

鈴木雅明のチェンバロ・リサイタル。

彼のソロ・リサイタルを聴くのは初めて。

こじんまりとしたチャペルで、小さくつつましやかなステンドグラスがとても美しかった。

教会のため残響はもちろん豊かで、演奏の細部までは聴き取りづらいほどだったが、教会中に響き渡るチェンバロの響きを聴くのはとても良い雰囲気があった(特に、イギリス組曲第1番冒頭のさわやかな響き!)。

鈴木雅明の演奏は端正ながらも情熱的で、特にイギリス組曲第5、6番では、これらの曲に内包するデモーニッシュな一面がうかがわれ(もちろん、19世紀風ロマン派的演奏というわけでは全くなく、バロックの様式感は保たれているが)、彼がBCJを振っての演奏である「マタイ受難曲」や「ロ短調ミサ」におけるあの悲痛で敬虔な祈りの歌を少し彷彿させた。

 

イギリス組曲と、あと数曲を録音すれば、彼はバッハの鍵盤楽器のための曲を全て録音したことになるとのことであった。

すごいものである。