ローム ミュージック フェスティバル2016 小林愛実 ほか | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

ロームシアターで音楽祭がやっており、そのうちの一つを聴いた。


MUSIC FESTIVAL 2016
ローム ミュージック フェスティバル
リレーコンサートC 
ヴァイオリンとピアノ名曲の調べ


日  程
2016年4月24日(日)


会  場
ロームシアター京都 (京都市左京区岡崎最勝寺13)
サウスホール


≪Program≫
E.エルガー :愛の挨拶

G.F.ヘンデル: ヴァイオリン.ソナタ.第4番

P.I.チャイコフスキー:「懐かしい土地の思いで」よりスケルツォ、メロディ

J.マスネ :タイスの瞑想曲

M.ラヴェル :ツィガーヌ


デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲  ニ長調

F.ショパン:ピアノ・ソナタ第2番
 変ロ短調「葬送」Op.35
ポロネーズ第6番 変イ長調「英雄」Op.53


ピアノ:岡本 麻子
ヴァイオリン:小林 美樹
ピアノ:小林 愛美


前半の小林美樹は、うまいはうまいものの、歌心にあふれたという感じではなく、まずまずであった。

やや荒削りな印象か。


後半の小林愛実、これはもうすごかった。なんと美しいピアノの音色。

速いパッセージでときどき指がばたばたするのは、身体が小さい分しかたないか。

でも本当に美しいモーツァルトだった。

ショパンのソナタ第2番では、力感不足を感じる瞬間もあったが、それでも曲に入り込む集中力は彼女ならでは。

ショパンのソナタ第2番、葬送行進曲が静まったあとに響く終楽章は、まるで「墓場に吹く風」のようではないか、と今回の演奏を聴いて感じた。この個性的な楽章を、もしかしたら初めて面白く聴けたかもしれない。


というわけで、思ったよりもずっと楽しめたコンサートであった。