続きから~~
*
なんというか、まあ、アンチテーゼに満ちた教師ではある。坂田銀八という人は。
教室だろうがどこだろうが、平気でくわえ煙草。
さらには、教育者とは到底思えない、その死んだ魚のような瞳。
「つーか、おめーらよぉ、俺の登場までに原稿用紙十九枚も使ってんじゃねーよ。待ちくたびれちまったよ」
小説内の人物とは思えない、この不穏な発言。
野放図というか、破格というか、PTAの信頼度ゼロというか、
とにかく教師の典型から大きく逸脱した人物である。
だが、この人が不思議な求心力のようなものを備えていることは事実で、
今こうして銀八が教室に登場しただけで、
あれだけ騒いでたクラスメイトが、とりあえずは席に着き、
彼の方に注目している。
「んじゃ、ホームルーム始めんぞー。日直、号令」
言われて、新八は今日の日直が自分であることを思い出す。
「あ、はい。きりー・・・・・・」
と、新八が言いかけたところで、銀八が待ったをかけた。
「あー待て。今日から号令は『起立』『気をつけ』『礼』『銀魂』にする」
いやはや。百パーセント思いつきのこのプラン。
しかし、反論したところで不毛なやりとりになることは目に見えている。
新八は再び号令をかけるべく口を開こうとした。
と、そこへ声を上げたのが桂くんだ。
「先生!『着席』の代わりに『銀魂』にする意図がわかりません!」
「意図ぉ?」
銀八は片眉を上げ、桂くんを睨んだ。
「意図は生徒手帳の隠しページに書いてある。そこ読んどけ」
「先生!」と続けたのが、いつのまにか丸メガネをかけた神楽ちゃんだ。
「私、生徒手帳、チリ紙交換に出してしまいました!」
「あの小さな手帳でトイレットペーパー何センチもらえたんだ?つーか、お前を出すぞ、チリ紙交換に」と銀八。
「先生!」今度は土方くんだ。
「今、沖田くんの生徒手帳覗いたら、白紙のページに俺の名前が書いてあって、その後ろに×印がたくさん書いてあります!」
「魔太郎か、お前は」と銀八は沖田くんに言う。
「つーか古いよ、漫画のチョイスが」
頃合だな、と思い、新八は口を開いた。
このままみんなにボケ続けられたら、話が進まない。
「きりーつ」
新八の号令に、クラスメイトが従う。
「気をつけー」 「礼」 「銀魂」
従順な新八は、言われた通りの号令をかけた。
全員が着席したあと、銀八はこともなげに言った。
「うん、思ったほど面白くなかったから、明日からは元に戻すわ」
もう廃止かよ!新八は思ったが、声には出さなかった。
担任は、いや銀八は思いつきでものを言う―。
つづく
今回くそほど終わり方微妙ですがまたつぎも見てください
では~~~