6月9日
報告者:中川
今日は「手のちから」について感じたことを書きたいと思います。
釜石市のある保健士さんから、こんな話を聞きました。
「子どもが熱っぽい顔をしていたら、お母さんは直ぐに、でんび(※方言で、おでこの意味)に手をやるでしょ。お腹が痛いって言ったら、手でお腹をさすってあげるし。それが手当なのよ。『怪我の手当をする』って言うけど、本当に手を当ててあげる。手のちからで、そうやって癒してあげるのよね。」
さて翻って、おおちゃんのお話。先日、おおちゃんが通う幼稚園にお届け物をしました。重たい段ボール箱4箱分のプレゼント。私独りでは運び込めなかったので、自衛隊さんにお手伝いをお願いしました。(ちなみに、今回登場する自衛隊さんは岩手駐屯地から大槌町に来られた隊員さん達です。)
園に伺う前におおちゃんママにメールしました。「今から、自衛隊さんと幼稚園に行きます。もし良ければおおちゃんを誘って来て下さい」 すると数分後にママから返信が。
「『少しだけ行ってみる』と本人が言っているので、連れて行きます。」
ママの手をぎゅっと握りしめて、おおちゃんが来てくれました。 「北海道じゃなくて岩手の自衛隊さんだけど、挨拶してみようよ、おおちゃん」と声を掛けました。でも、ママの後ろに隠れて出て来てくれないおおちゃん。岩手の隊員さん二人が、とびっきりの笑顔で、その大きな手をおおちゃんに差しのべて、握手してくれました。
隊員さん達が帰った後も、おおちゃんは幼稚園に残ってくれました。でも、ママの側を片時も離れられません。 その日の午後にママからメールが来ました。「今日は自衛隊さんと握手出来て嬉しかった。明日また幼稚園に行く」とおおちゃんが言ってくれたようです。
震災後初めて、自分から幼稚園に行くと言ってくれたおおちゃん。
そして翌日・・・ママと一緒だけど、幼稚園に行ってくれたそうです。 握手を通して、岩手の自衛隊さんの手から、「おおちゃん、元気になぁ~れ」のメッセージがおおちゃんに届いたのだと思いました。
釜石市の保健士さんの言う通り、「手のちから」って大きいんだなって、改めて感じた出来事でした。