おおちゃんの愛しの隊員を捜せ!3 | グッドネーバーズ・ジャパンのブログ

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2011年6月8日

報告者:中川


今日は「きずな」について書きたいと思います。


安全対策の観点から、いつもは日が暮れる前に車の運転を止めるようにしています。ところがある日、大槌町で夜遅くまで作業することになり、作業終了後、独りで車を運転して釜石市にある事務所まで帰って来ました。


復旧作業が進んでいるとはいえ、大槌町から釜石市までの道中、瓦礫の山を通過せねばなりません。津波で街灯がなぎ倒され、風景が一変してしまった町を日の光のもと見るのも心が苦しくなります。


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日中の釜石市内、目抜き通りの様子


ましてや闇夜の中、3月11日を境に町の息遣いが止まってしまった釜石市内の目抜き通りを走っていた時、そこはかと無い不安を感じました。そんな時、対向車線に赤色灯をつけたパトカーを見つけました。赤色の光が心に響きました。そしてなぜだか分かりませんが、心がほっとしました。


なぜ、パトカーを見ただけで安心出来たのでしょうか?後で気付いたのですが、事件や事故が発生した際に助けてくれるのが警察で、あの赤色灯は自分の身に何か起こった時に助けてくれる、「安心の象徴」だったのです。

警察がそこにいてくれている、自分と繋がってくれている、そう思うだけでほっとしました。


おおちゃんは毎晩「もう嫌だぁ」と叫んで目を覚まし、その後泣き続けてしまうそうです。きっと怖い体験を思い出してしまっているのだと思います。フラッシュバックと言われる現象です。


そんな時は自分が好きな安心出来るイメージを思い浮かべることが有効だと聞きます。おおちゃんが辛い体験を思い出してしまった時、そこに大好きな自衛隊さんがいてくれたら・・・・

きっとライアン隊員は北海道に戻った後のおおちゃんのことを心配してポシェットをプレゼントしてくれたのではないでしょうか?おおちゃんの「安心の象徴」である自衛隊さんを思い出せる様にと。


おおちゃんの愛しのライアン隊員ではありませんが、同じ北海道から来たK隊員もおおちゃんに素敵なモノをプレゼントしてくれました。北海道の自衛隊さんが付けているワッペンです。


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K隊員の左手にあるのがワッペンです。 「これを付ければ、おおちゃんも私達の仲間だよ」、そう言ってプレゼントしてくれました。おおちゃんの「安心の象徴」の北海道の自衛隊さん、その仲間を意味する心強いワッペンです。


実はK隊員は私にもこのワッペンをくれました。被災地支援をおこなっている同じ仲間だからと言って。支援活動を通して見聞きする被害の甚大さに、自分の心が萎えてしまいそうになることがあります。そんな時はスタッフ同士で励まし合います。また、ワッペンに手を当てて「きずな」を確かめています。


「全国から大槌へ愛の絵葉書を!」 では全国から寄せられた1万枚を越える葉書に勇気づけられました。皆さんの被災地を思う心、その「きずな」を強く感じ、励まされます。



そして今日も「きずな」を胸に被災地の復興に向けて私達は活動します。