「ねえトム、今日は何の日かわかるわよね?」 そう言って君は、一粒のチョコレートを僕の口に押... 「ねえトム、今日は何の日かわかるわよね?」 そう言って君は、一粒のチョコレートを僕の口に押し込んだ。 「ええと…ああ、今日は、聖バレンタインの日だね。うん、とてもスイートだ。これは、本命?それとも義理?」 「義理にきまってるじゃないの。だって貴方にはテレサがいるし」 左手の薬指をちらと見ながら、彼女は口を尖らせた。 「君は嘘が下手だね、ジンジ。 じゃあ、あててみてほしい、これは義理か、本命か。」 ほぼ前触れのない、突然のキス。 「貴方こそ演技が下手ね。義理よ、義理。」 「そう感じたかい?では、もう一回だけ。」 そのあと、どうなったかって? 無粋だな。それは言えないよ。 ただ、あの美しい瞬間を永遠に残したくって、僕はFotografiaという曲を作ったんだ。 (Antonio Carlos Jobim, 1927-1994) #曲の生い立ちポエム #ていうかただの妄想 #ポエ二スト george nagataさん(@georgenagata)が投稿した写真 - 2016 Feb 13 6:33pm PST