賛否両論かとは、思いますがご意見頂けたらと思います。
では、昨日の続きからスタート。
ビリッチ監督のヘスス・ナバス投入対策とは?
スペインがヘスス・ナバスを投入し、ゲームを動かそうと策を講じてすぐの6分後。
前2試合でスタメン出場していたイェラビッチとペリシッチを投入。

ペリシッチ。元香川選手の同僚でドルトムントに所属。
この采配は、攻撃に重きを置くようにシフトチェンジし、得点を奪いに行くのが狙い。
....というだけではないと僕は見た。
システムが4132とより攻撃的になったのは確か。
しかし、この采配の効果は別の部分で現れた。
今まで1トップのマンジュキッチへの対処と中盤からパスが脅威であった前半。
しかしこの交代によって、スペインDF陣にとっては、ターゲットマンが一人増え、
尚且つドリブルにキレのある選手が投入されたことで、サイドの自由なオーバーラップも制限されてしまう。

恵まれた体躯と、スピードでエバートンで得点を量産するイェラビッチ。
これによって、意識が拡散。
スペインにとっては、中盤との連携、サイドの選手に一度預けると言う選択肢が一気に狭まった。
つまり攻撃陣と守備陣の関係を一時的に二分する形になったのだ。
ヘスス・ナバスを入れたデル・ボスケの相手の意識をサイドに向けさせる采配に対し、
ビリッチ監督は+αを加えてやり返してきたのだ。
なんとも賢いというか意地が悪いというか.....
試合を動かす一手に対しても、常に試合前者であろうとする意識の高さには敬服する。
しかし、上手く行ったのはエドゥアルドが投入された81分まで。
ここから少しずつ歯車が狂い始める。

ラキティッチ。攻撃的な位置ならどこでも出来る選手。最近は器用貧乏感も。
この状況をまずいと思ったのか、スペインはセスクにアップのピッチを上げるように指示。
そして、彼が投入されたことで、中盤でフィルターとして動き続けていた
ヴコイェビッチが左右に振られ始めるように。
(僕の推論でしかないのですが、視界に入る動きを繰り返されたために
セスクへの対応に対して重要性を感じてしまったのではないかと考えます。)
シルバのように外から内へと言う形やイニエスタのように前後左右全てに顔を出すのではなく、
中盤の真ん中の限られたエリアで動いていたことが功を奏したのかと。
でも彼を捉えて、決定的なパスは送らせていなかったように思える。
ヘスス・ナバスのクロスもストリニッチとペリシッチが必死で防いで上げさせないようにしていた。
完璧な采配の中での唯一の決定的なミス
先程も名前を上げたヴコイェビッチの交代が結果的にミスへと繋がった。
純粋に点を取りに行くことが目的でエドゥアルドを投入したのだろうことは、
交代したポジションからも見て分かる。(守備的MF→FW)

個人的には今大会一の守備的MFのヴコイェビッチ。
この交代が生んだ結果、セスクを自由へと導くこととなった。
ギリギリのラインでヴコイェビッチが凌いでいた中盤のバイタルエリア前にポカリとスペースが出来て、セスクが顔を出すようになると、DFラインもガタガタに。
これまで陰を潜めて実力を抑えていた変えに対して、
天がセスクに自由な時間を与えたのではないかとさえ思える。

交代前まではこの誘い込みDFが非常に機能していた。
得点に繋がったシーンもセスクが動きながら広いエリアで、
ボールを受けたこと、パスを出せたことが大きいと思う。
このビリッチ監督の読み違いと選手の連動性の欠けていた部分が、
悪いタイミングで重なっての敗退なのだろう。
これだけ面白いサッカーをするクロアチアを決勝Tで見れないのは残念な限り。
この状態を維持して、次のW杯には是非出場してもらいたい。

今回のMVPはこの3人のうちの誰かでしょうね。僕ならセスクを選びます。
と、このようにまとめさせていただきました。
視点はどちらかというとクロアチアです。
まぁ、何はともあれスペインの突破のおかげバレンsニア市民は未だに有頂天。
僕としては、自信初のスペインでの優勝を味わうためにも是非勝ち進んで頂きたいものです。

ヘスス・ナバスはユーロ初得点おめでとう!
最後に一つだけ苦言を呈すのであれば、昨日の3センターは全員が最悪でした。
パスを捌けないシャビ・アロンソ。
柔軟に動けないシャビ・エルナンデス。
相手の中盤を捉えられないセルヒオ・ブスケツ。
組み合わせが悪いというのは、周知の事実。
どうにかこの3人を上手く使える方法を考えるか、戦術的に誰かを外すという手段にビセンテ・デル・ボスケ監督が踏み切ってくれればと切実に思います。

昨日のシャビはバルサでの彼とは、別人のようでした。
ではでは。
失礼いたします。