広島県 旧甲山鉱山 | 鶴嘴さんのブログ

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全国の旧鉱山や旧炭鉱の調査を行っております。

ここは 広島県福山市加茂町 岡山県の県境くらいまで来たのではないだろうか?
ここまでの道は あまりにも危険過ぎた 舗装されている事だけでも助かったが 一時タイヤが半分
谷側にはみ出た所もあった。

動画もこういう撮影をすれば緊迫感が伝わるかと思ったがそれを実行していれば 今頃は 谷底に落ちていた可能性が高い…

こんな看板があちらこちらにある。

前回の旧鉱山跡から比べ辺りの雰囲気が様変わりした。

かなり 山奥に入ってきたという事もあり 人の気配というか人工音が全くしない。

耳に入るのは 風音、そして 鳥達の声だけであった。

実際 こういう所は 嫌いではない どっぷり都会生活に浸かっている時に訪れると本当に癒される。

将来的な夢は このような所で生活したい。


さて 少し歩く、
舗装されている道から外れた場所に旧甲山鉱山は あったという。

道を外れて歩く事 すぐに大きく高い石垣が残っていた。

この奥から高台にかけて鉱山は 配置されていたと考えられる、
現在徒歩で進んでいる所が上部に記載の道だろう。

坑道配置は 南側からの断面図 これだと どの坑が どの標高に位置するのかがわかる。



ふと 足下を見ると、
最近 人が入った痕跡がある。

同業者か?

足のサイズは 小さく足跡がまだ新しい。

付近を見渡すと どおやら 鉱石採取の方らしい。


続いて 石垣の上部へと登る、
やはり 人工物が散らばっている。

緩やかに西側へ反れながら登ると小規模なズリ山を発見。

その突き当たりの斜面には、
これは。

確かに坑口である、
無造作に積まれたように見える石もこれは 人工的に積まれている石垣。

これも ただたんに倒木だと思われるでしょう、
中を覗くと空洞が続いていた。

内部にも木材が倒れているのが確認できた。

これは 坑木だろう、
西側に歩いた距離、標高から一坑だと推測される。

一通り歩いたが鬱蒼とした森に阻まれ 調査は難航した。

仕方ないと下山する事となったが躓く何かに気づく。

古い電信柱であった。

昔は 電力が必要な施設が建っていたのだろう。

付近の農家から甲山鉱山に出稼ぎに来ていた方々。

中央 背広を着て笑う 鉱権者 三島寛一氏。

旧甲山鉱山全景。(写真:広島県下の小さなゴールドラッシュから)

やはり 中央がくぼんだ建造物が写っている。

鉱石の積込場だったようだ そして 上部に選鉱所と思われる屋根つきの建物。

簡易手選鉱だったという事だ。

写真一坑と書かれた位置は 先程 塞がれた坑口の場所、建物から高台西側にある。

そして 東側、西側に歩くとすぐに鉱山の気配が消える。

全景写真には 縦長な鉱山風景が写っていて横に広い鉱山ではなかったようだ。

そういう事だったのか…


次に旧甲山鉱山の地質鉱床、
古生層、千枚質粘板岩、粘板岩、輝緑擬灰岩、などの類層より構成されている。

粘板岩類は 黒色及び灰黒色 緻密で部分的に千枚質になったり珪化、アジノール化を呈し 局部的に石墨化部分も見られる。

全体的に塊状、無層理の部分が多い。

輝緑擬灰岩は 淡緑色 無層理の部分が多く部分的に方解石脈の網状部が認められる。

火成岩としては 古生層中の迸入岩体として閃雲花崗岩 石英斑岩などが分布する。


この旧甲山鉱山の動画はこちら。