旧市之川 鉱山 | 鶴嘴さんのブログ

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全国の旧鉱山や旧炭鉱の調査を行っております。

四国鉱山巡礼、
四国が本当に広いなと この頃から感じはじめた
毎日 鉱山跡地を歩き、ひたすら移動といった日程なのだ。

対向車のバイクが挨拶しても手が上がらなくなってきた。

鉱山跡を歩けるのだからと自分に言い聞かせ 調査を続けた。


さて 次の目的地 市之川 鉱山へ向かう。

市之川鉱山は 周辺を東西に貫く中央構造線の南側に三波川変成帯や市之川レキ岩中に幾つかの熱水鉱床が通っている。

その中の石英脈中にできる、

ガマ

と呼ばれる空洞に輝安鉱の結晶が形成されるようだ。



鉱山分布図を見ると中央構造線の南側に鉱山が数えきれない程 集中している、

今回は その全てを歩けるわけもなく見てみたい鉱山を数ヶ所抜擢した。

旧市之川 鉱山は世界一のアンチモン鉱が発見されたと聞いて行ってみたかった。



到着すると、
資料館があり鉱山跡地は しっかりと管理されていた。

その施設から管理と研究をしている先生が、

「こんにちは」

と声をかけてくださいました。

室内へと入ると、

アンチモン鉱を見せていただいた。

世界一の鉱石ではないが これも 大きい。



この形を見て長年自然に形成されたと考えて、こうなるとわかっていても奇跡だと思ってしまう。

ガマという空洞にこの形で形成されている。

どうやって?

どのように?

と考えだすと果てしない。


その後も色々とお話をしていただき写真も拝見させていただきました。



続いて遺構の事を聞くと ほとんど残っていないという。

水力発電所や選炭場、多くの建屋なども現在 残っていない。

坑口も驚く程の数があったのだが見学できるのは 1つの坑口だという事だ。


せっかくなので、

その見学ができる千荷坑へと行ってみよう。

途中、途中には昔の面影が残る、



電信柱や家屋の土台、石垣。


そして、


千荷坑が姿を現す、





扁額は無く、坑門に坑名が彫られている。

坑門の両脇に鉱山名と開口年月もある。

どっしりとした風格が印象的だ。



足元には、

レールが残る、

川の方へ真っ直ぐに伸びていたようだ。

川には橋脚らしき基礎が残る。

対岸の選炭場へと運ばれていたようだ。

(前写真 配置図にマーカーを記入)

石垣などが うっすらと確認できる。


川の方へと下りれば また貴重な痕跡が見られる、



ダイナマイトで発破した跡や採掘跡が見られる
川のふち こんな近くにも市之川レキ岩が見られるのだ。

市之川レキ岩があると試掘していたという。


驚く事に見渡せば このような所が多くある。


地質や鉱石に全く詳しくない自分にもわかるくらい 見たことのない地層や岩などが確認できた
先生に説明していただけば していただく程 この鉱山や鉱脈が特別だったかが よくわかった。


このように、
詳しい方と鉱山を歩くと、多くの事を学べ、勉強になる。

事細かな事がわかります。



まだまだ 先生とはお話したいのですが、
時間が限られており 旧市之川 鉱山を後にする。



貴重なお話をありがとうございました。