旧三井 山野 鉱業所 漆生 炭鉱 再訪 | 鶴嘴さんのブログ

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全国の旧鉱山や旧炭鉱の調査を行っております。

最近、
炭鉱跡地がソーラーパネル設置 予定地になっているのをよく見られる。

これは、
休遊地を上手く使いソーラーパネルを設置、発電しようという考えだろう。

200~300坪 (50kw程)の発電らしい。

炭鉱跡地の広大な空地など丁度いいのだろう、
硬山も削ってしまえば その広さの土地が確保できる。

なんとも悲しい光景…

しかし、
開発がマイナスに向かう事ばかりではなく自分にプラスに転じる事もある。


丁度、
漆生坑の坑内水を川へ放流する施設(ポンプ室)の西側 硬山跡地が開発途中で伐採され山肌が剥き出しになっている。

そこに 姿を表したのが、

かなりの大きさの遺構である。

これだと、
航空写真でも バッチリ写っているだろうと現在の航空写真を確認するが伐採前なので確認できない。

では、

(国土地理院昭和50年度 航空写真)

こちらでは その巨体がはっきりと見える。

1、事務所、坑口

2、選炭場、積込場

3、今回の遺構

ざっと、
番号を振り分けましたが 3番位置がどうやら硬山だったらしく、選炭場から薄っらと軌道が確認できないだろうか?

こちらなら、

(国土地理院昭和40年度 航空写真)

こちらなら 軌道も遺構もはっきりわかる。

真っ直ぐ伸びた軌道の終着点に長方形の施設が
確認でき、それが今回の遺構ではないかと推測する。



あの道路も線路だったらしい 駅もあったとか…


では、
工事中の業者 社長さんに許可をもらい中を見せていただいた。

ありがとうございます。


近づくと、

独特な開口部がある、


もっと近くで見たく足早に向かう、

これは 何だという戸惑いと興奮に心が震える。


遺構の上部にも登ってみたが、レールなどが刺さっていた。

上部は コンクリート面が出ていなかった。

では 下から内部を見てみる、



下の大きな開口と上にある小さな開口。

シュートなどの開口はなく頑丈な構造となっている。

しかし、

他の炭鉱遺構より 工法が緻密であるが 骨材の目が荒い。

そして、
遺構の全長は 航空写真で見た通り そんなには長くなく土砂で潰れた開口奥のすぐが反対側の出口あたりだろう。

この遺構は何なのだろうか?

硬山の中心辺りに位置する遺構、軌道からみて自分は巻上機の台座遺構だろうと推測する。


エンドレスが走っていたという証言もある。

しかし、
久しぶりの巨大遺構、構造もさすがに大手企業のヤマだと感じた。


最後に業者 社長さんから2枚の写真をいただいた、

伐採前と伐採中の写真である。


そして もう1つ 社長さんに確認。

この土地の地権者を聞いた元請け企業も地権も三井だそうだ。

現在も三井の土地であるとの事である。



社長さん 色々とありがとうございました。



開発がマイナスになるとは 限らないと思った
日吉の巻上台座や山野の排気坑などは 見易くなっているのは確か後は解体に向かわないよう祈るだけですね。