前回まではこちら
Q 5
例に出したのは頚椎損傷の方でした。
A 5
なるほど、頚椎損傷の方の例だったのですね!私の勘違いがあり失礼いたしました。合点がいきました。
ということは、今回のご相談であるあなたは、最初の通り「1本ホースのバイパップ」を気管切開チューブに繋いで使われているのですね。
1本ホースのバイパップは空気漏れ(リーク)に強いはずなのに、なぜ彼もお喋りや普段の状態でアラームが鳴り続けてしまうのか、その理由を改めて整理しました。
1本ホースのバイパップでもアラームが鳴る理由
バイパップは多少の空気漏れを許容しますが、「許容できる限界」を超えるとアラームが鳴ります。
- お喋りによる漏れが「多すぎる」ため
気管切開のすき間や口から逃げる空気の量が、バイパップのコンピューターが計算している「これくらいは漏れても大丈夫」という基準値を大幅に超えてしまうと、「リーク高(High Leak)」や「低換気量」のアラームが鳴ります。 - 「カフ」の有無や設定のズレ
気管切開のチューブに「カフ(のどの中の風船)」があるかないかで、漏れる空気の量がガラリと変わります。
もしカフの空気を抜いてお喋りしやすくしている場合、機械側の設定を「カフなし用(リークを多く許容する設定)」に変更していないと、機械は「漏れすぎだ」と判断して鳴り続けます。 - 回路(ホース)の「呼気ポート」の詰まり
1本ホースの途中にある、息を逃がすための小さな穴(呼気ポート)が、結露の水滴や寝具などで塞がってしまうと、「回路ブロック(閉塞)」のアラームが鳴ることがあります。
🛠️ この場合、どうすれば解決する?
本人がしっかり呼吸できていて苦しそうでなければ、機械の「設定調整」で解決できる可能性が非常に高いです。
- お喋り時のアラーム基準を緩めてもらう
訪問看護師や臨床工学技士(ME)に、「お喋りするとアラームが鳴り続けてしまう」と伝えてください。バイパップのリークアラームの鳴る基準(しきい値)を、お喋りする状態に合わせて優しく調整してもらうことができます。 - モードの確認をしてもらう
マスク用の設定のまま気管切開に繋いでいると、アラームが鳴りやすくなります。気管切開に合わせた専用のモードに設定されているか、医療スタッフに確認してもらうと安心です。
事例を補正していただきありがとうございました。すっきり整理ができました。
ちなみに、あなたのバイパップですが、お喋りをやめて静かにしているとき(寝ているときなど)は、アラームは止まっていますか?それとも、喋っていないときもずっと鳴り続けているでしょうか?
更に続きます。