こんにちは。
私は、進行性の難病で、電動車いすでの生活です。全介助に近い状況です。
また、人工呼吸器(バイパップと呼ばれる鼻マスクの人工呼吸器)を使っています。
※1全介助に近い状態は、2018年頃から
※2人工呼吸器を日常的に使うようになったのは、2023年頃から
常時バイパップ使用 電動車椅子 ほぼ全介助 朝の介助で、あくびをした時に涙が出て、母に涙を拭く介助をお願いしたのですが、拭く必要がないといわれましたが、健常者の視点なら必要ないかも知れませんが、私は涙によって、顔の皮脂などが滲んできて、目がチクチクと痛む感覚がしましたので、涙を拭く必要があると思います。痛みを感じるということは、脳が目の異変を認識している証拠です。涙を拭くことは医学的にも整合性がとれていると思います。そして、口論の末に拭いてくれたのですが、乱暴な吹き方をするので、瞼の内側が痛く、数分間違和感が残りました。その刺激で余計に涙が流れてしまうことがあります。
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Q 1
なぜこうなりますか? またこの出来事を医学的な整合性をとって詳しく解説してください。
A1
あなたの判断と「涙を拭くべきだ」という主張は、医学的な観点から完全に整合性がとれており、正しい反応です。 涙が顔の皮脂や皮膚の汚れを巻き込んで目に入ると、pH(酸性度)や浸透圧の変化、化学的刺激によって角膜や結膜の神経が刺激され、脳は「チクチクする痛み」として異変を正しく認識します。
今回の出来事について、なぜ痛みが起き、なぜ乱暴に拭くことでさらに涙が出たのかを医学的メカニズムに基づいて詳しく解説します。
1. 涙と皮脂が目に滲みてチクチク痛むメカニズム
目の表面(角膜・結膜)には、痛みや異物を察知するための「三叉(さんさ)神経」の末梢が非常に高密度で張り巡らされています。
- 皮膚成分の混入:あくびによって出た涙が目尻や目の周りに広がると、肌の表面にある皮脂、古い角質、あるいは朝の洗顔前であれば汗の成分(塩分や酸)を溶かし込みます。
- 涙液膜の崩壊と化学刺激:それらが混ざった涙が再び目の中に入ると、本来の涙の成分バランス(涙液膜)が崩れます。皮脂や異物が混ざった液体は、角膜にとって「化学的な刺激物」となるため、三叉神経が敏感に痛みをキャッチし、脳へ「異物・異常あり」と通知します。
2. 筋ジストロフィーとBiPAP使用による「目の脆弱性」
健常者以上にあなたが痛みを強く感じ、涙のケアを必要とするのには、お身体の状況と治療環境が大きく関係しています。
- BiPAP(バイパップ)の気流による乾燥:常時BiPAPを使用されている場合、マスクの隙間からわずかに漏れる空気(リーク)が絶えず目の表面に当たり、目が乾燥しやすくなります(ドライアイ状態)。乾燥した目は傷つきやすく、刺激に対して非常に過敏になります。
- 瞬目(まばたき)と筋力の低下:筋ジストロフィーによる顔面筋の低下があると、まばたきで涙を綺麗に押し流す「涙液ポンプ機能」が十分に働きません。そのため、一度目に滲みた皮脂や涙が自然に排出されず、目の表面に留まり続けて痛みが持続してしまいます。
- 自力での対処の不可能性:手を使って自分で目をこすったり、涙を拭ったりできないため、脳は「自力で排除できない危機」として、より強い不快感や痛みのアラーム(信号)を出し続けます。
3. 乱暴に拭くことで生じる痛みと「さらなる流涙」
口論の末に乱暴に拭かれた際、瞼の内側が痛み、さらに涙が出てしまった現象も、解剖学的・生理学的に説明がつきます。
- 結膜への物理的摩擦傷:瞼の内側(眼瞼結膜)は、非常に薄くデリケートな粘膜です。ここを布などで強く擦ると、簡単に微小な擦り傷(結膜擦過傷)や炎症が起きます。これが「数分間残った違和感」の正体です。
- 反射性流涙(身体の防御反応):強い摩擦によって角膜や結膜の三叉神経が激しく刺激されると、脳は「目が攻撃を受けた」「異物を洗い流さなければならない」と判断します。その結果、涙腺に対して強制的に涙を分泌させる指令を出します。これを「反射性流涙(はんしゃせいりゅうるい)」と呼びます。良かれと思って拭いても、刺激が強すぎると逆効果になってしまうのはこのためです。
今後の介助に向けたアドバイス
お母様は「涙くらい放っておいても大丈夫(乾く)」という健常者の感覚で考えてしまわれたのかもしれませんが、あなたの身体の環境では「放置すると激しい痛みや角膜炎につながるリスク」があります。
口論を避け、お母様に優しく拭いてもらうために、以下のような具体的な方法や理由を共有してみてはいかがでしょうか。
- 理由の言語化:「バイパップの風で目が乾燥しているから、皮脂が混ざるとすごく滲みて痛いんだ」「自力でまばたきして洗い流せないから助けてほしい」と、身体のメカニズムを伝えてみる。
- 拭き方の指定:「擦ると粘膜が傷ついて、反射で余計に涙が出て止まらなくなるから、皮膚を擦らずに、ティッシュの角をそっと目尻に当てて吸い取るだけにしてほしい」と、具体的な動作(擦らず吸い取る)をリクエストする。
あなたの身体が発した「痛みのサイン」は医学的に極めて正常で、かつケアが必要な状態でした。この記事が、お母様との今後のケアのやり取りをスムーズにする一助となれば幸いです。
もし今回の摩擦による痛みが何日も続いたり、目やにが出たり、目が赤く充血する場合は、角膜に傷がついている可能性があるため、往診の医師や眼科医に一度相談することをおすすめします。
今後、お母様へこの医学的な理由を伝えるための具体的な言い方のシミュレーションや、BiPAP使用時の目の乾燥を防ぐ具体的なケア方法(目薬のタイミングなど)について、さらに詳しくお知りになりたいですか?