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青い旅人

16才のヒカルは国家機密情報部の重要な任務を任された。任務名コードネームゼロ。記憶の片隅に消えた歴史、青い民の生き残りを連れ帰る。そして物語の終盤で岐路に立たされる。任務を遂行できるのか。何が待ち受けているのか。ヒカルはまだ知らない。

 吉貝たち一行はハルミテン遺跡に辿りついた。ヒカルはここの風景に懐かしさを覚えていた。洞窟に向かうに連れてその感覚はどんどん強くなる。

「ここです。ほらこの壁画は面白い、それにこの石。」

差し出された石にヒカルが触れようとしたとたんヒカルのペンダントが輝き出した。石とペンダントが共鳴する。その振動はさらに大きくなる。突然奥から大きな物音がした。一同は物音がした方向に進んだ。

「む、これは。確か菊地君以前ここは行き止まりだったはずだね。」

菊地は大きくうなづき息を呑んだ。突如出現した石室に由貝を先頭に一同、おそるおそる中に入った。そこには大きなレリーフが置かれていた。

「これも文字のようだ、一体なんと書かれているのか。」

「不死鳥ラーニャの眠りがとけるとき、王国がよみがえる。」

ヒカルは無意識にそのレリーフを読み上げた。

「ヒカルこの文字が読めるのか!」

ハヤテは驚きの声をあげた。

「なぜかそう書いてあるように思えたの。頭の中で声がしたというほうが正しい表現かもしれない。」

そのレリーフの横の台座には今にも飛び立とうとする大きな鳥の彫刻が据えられていた。

「これはまたなんと精巧な事か、まるで生きているようだ。」

由貝がその彫刻を触れようと手を伸ばしたとき、入口から声がした。

「触らないで!」

そこにはテレサとジャイロが立っていた。

「テレサ。どうしてここに。」

テレサはヒカルをいとおしげに見つめた。

「やっと全てを思い出した。思い出せる勇気が持てた。自分のしてしまったことに責任を果たしたい。ここにあった家宝もなくなっている。急がなくては、説明はあと。すぐに向かわなくてはいけない。止めなくてはいけない。」

そう言い残すとテレサは足早に立ち去ろうとした。

「お母さん?」

ヒカルもまた記憶の断片がよみがえった。記憶の中で何度も温めていた母の眼差しにテレサの眼差しがとても似ていたからだ。

「ヒカル。あなたも思い出してしまったのね。やはりあなたも知らなくてはならない。あなたも運命の子なのだから。」

テレサは真実を語りはじめた。