数年後ルピナスでは戴冠式が盛大に開かれていた。アトラスはヨシュアに在位をゆずることにしたのだ。
「ヨシュア、そなたは私には見えない大切なものを見る事ができる。そなたの澄んだ心でこの国を元の平和な国に導いて欲しい。それにパルトとの時間が欲しいのだ。お腹には新しい命も宿っている。」
アトラスとヨシュアは、パルトのお腹に手を当てた。
ここキャルサンでは、ミンヨとフジが海に沈み行く夕日を眺めてくつろいでいた。
「ミンヨ、あんたももうすぐ巫女修行の時期だね。他の国の人や町に行ってどう感じたのかい。」
フジはミンヨに優しく語りかけた。
「ミンヨは思う。人っていろいろ。動物もいろいろ。この世は、いろんな生き物いる。世界は広いし大きいな。ミンヨは、おばあちゃんみたいになりたい。」
フジは微笑んだ。
「アリシパン、ルピナス、キャルサン、アミュータウンもこれから暮れていく。日が暮れ夜が訪れ、朝が来る。毎日訪れる予定調和。同じようで同じ1日はない。どんな1日にするかどうかもミンヨ、お前の選択次第なのだ。そして心のあり様でその1日が晴天であったり台風になったりする。多いに楽しもう。いろんな人と出会ってお互いが違うということを楽しもう。人生谷あり、山あり。全ての事象には裏と表がある。忘れないでほしい。自分一人では生きていけないことを。多くの人々の支えがあって、生かされていることを。忘れないでほしい。一番の魔法はありがとうという言葉と笑顔さ。それができればなんでもできる。みんなが応援してくれる。心からそう思って毎日大切に生きることさ。それがこれから始まる修行の第一歩。」
ミンヨは、おばあちゃんの知恵をたくさん吸収したいと思っていた。そしてこれから始まる修行の日々をワクワクしていた。
「ミンヨ、みんなだいすき。ありがとう。ありがとう。」
そしてここはとある場所。
「チュー。」
カピバラが大きな声をだした。
「チュー。」
ベリーはこれまでの冒険を自慢そうに語った。遠い異国のネズミ会議。
「ヒカルは、アリシパンに戻ったのさ。まぁ俺は予測してたけどな。ハヤテか、ハヤテは相変わらず植物の研究にあけくれてるさ。チーズのなる木でも見つけてくれないかな。」
「チュー。」
「今度はスペシャルゲストに由貝を連れてきてもいいか。あいつの作るチーズフォンデュは最高だ。」
「そうそうテレサは、キャルサンで子供達のための学校を作ったんだよ。もちろんトゥーリも先生として働いているみたいだ。今度僕も客員教授として、呼ばれているのさ。うん、そうそう…。」ネズミ会議は平和が戻った証。いつまでも議論はつきない。そしてラーニャは天空の城に戻った。希望と幸福の種をまとって。