青い旅人(第35話) | 青い旅人

青い旅人

16才のヒカルは国家機密情報部の重要な任務を任された。任務名コードネームゼロ。記憶の片隅に消えた歴史、青い民の生き残りを連れ帰る。そして物語の終盤で岐路に立たされる。任務を遂行できるのか。何が待ち受けているのか。ヒカルはまだ知らない。

吉貝は再び重い口を開いた。

「わたしがこの研究に反対した理由がもうひとつある。その新生細胞はどうやって作られたと思う?それは一人の少年から採取された。この研究の発端となった研究者は、私の友人だった。あるとき彼が、年を取らない不思議な少年について語った事がある。その後、彼は人がかわったようになってしまった。末恐ろしい質問を何度も私にしてきた。進化のためには犠牲が必要だと彼は、独り言のようにつぶやくようになった。その後、私と彼は口論となり、疎遠になり、消息はわからない。しかし、きっと彼は、研究をし続けたのだろう。彼が行方不明になった頃と時を同じくして、彼が目標としていた薬が完成したからね。」

ヒカルは胸がざわついた。

「その少年は今も拘束されているのでしょうか。」

「それはわからない。私は一度逃げ出した少年が拘束されるところを見てしまった。少年の腕には痛々しい赤いあざができていた。

「腕のあざ?」

「そう赤いあざだ。それは痛々しく見るに耐えかねた。ただ現段階では、研究がストップしてしまった。薬も未完成だったところをみると、もしかしたら彼はもうここにいないのかもしれない。」

ヒカルはその少年がゼロであることを直感した。彼を探さなければいけない。またふりだしに戻ってしまった。ヒカルたちは吉貝から得た情報の信ぴょう性を探る必要が出た。そのためには、東の国の情報がもっとほしい。しばらくヒカルは由貝に同行する事が得策に思えた。

「ハルミテン遺跡に連れて行ってください。」

吉貝はにっこりした。

「新しい歴史を刻む旅へいざ参りましょう。」