肌の糖化測定
の続きです。
AGE Readerを使ったAGEsの測定例を紹介します。
この機器では腕の皮膚に光(主波長365nm)をあてて、皮膚中に存在する
蛍光性AGEsが発する蛍光を測定することで、皮膚中のAGEsの蓄積量を
モニタリングします。
測定部位は約1平方センチメートルですが、測定している深さは不明です。
加齢や糖尿病との関係に着目して測定したデータがあります。
AGEs量はAGE Readerで測定される相対蛍光値(AU)として示されます。
(Lutgers et al., Diabetes Care, 29, 2654-2659, 2006
のデータを元に作図)
グラフのように、加齢に伴ってAGEs蓄積量が増加していることや、
糖化リスクの高い糖尿病患者群では同年齢の非糖尿病群より高値であることが
モニターできます。
また皮膚組織を採取してAGEsを測定した値と、AGE Readerを使って
測定した値(AU)を比較して、両値が相関性を示すことも報告されています。
(Meerwaldt et al., Diabetologia, 47, 1324-1330, 2004
)
この結果は、AGE Readerが全てのAGEsを測定しているわけではないものの、
この機器による測定値がAGEsの生成・蓄積する状態を反映したデータであることを
示していると言えます。
糖化を避けることは美肌を保ち、老化を防ぐための対策として重要なポイントになります。
抗糖化作用の効果を客観的に、容易にモニタリングする方法の一つとして、
AGE Readerは良いツールになると思います。
今後、この機器を使った測定ができる場が広がることを期待しています。