最近、糖化や抗糖化に関する情報がたくさん出てくるようになって
大変喜ばしいことだと思っています。しかし・・・・・・
今回は、まずグラフをご覧ください。
糖化を避けるには高血糖になりにくい食習慣が大切です。
これは昨年発行された美容系雑誌の「肌も体も抗糖化でアンチエイジング」
という特集記事で紹介されていた、食事と血糖値の関係を示すグラフです。
このグラフちょっとおかしいのでは? という質問をいただきました。
(※今は一緒に描かれている中性脂肪のグラフに注目しません)
このグラフの解説では、
血糖値が最も上がるのは食後1時間。この急激な上昇を抑える工夫ができれば、
かなり「抗糖化」になるはず。・・・・・・としています。
確かにおかしいです。
実は私も見ていたグラフでしたが、すっかり見過ごしていました。
お気づきだったでしょうか?
ここで示されている食後血糖値をグラフから読み取った値は以下の通りです。
0時間(食前) 158mg/dl
1時間後 248mg/dl
2時間後 236mg/dl
3時間後 180mg/dl
4時間後 113mg/dl
健康な方でこのような血糖値変化は起こりません。
この例の方は既に糖尿病を発症されておられる可能性が推定されます。
抗糖化によるアンチエイジングを期待する段階ではなく、
早急に糖尿病治療などの対策が必要な方であると考えられます。
糖尿病の判定基準の一つに75g経口糖負荷試験(OGTT)
があります。
この検査は空腹状態で75gのブドウ糖を含む溶液を飲んだ後、
時間ごとの血糖値を調べる検査です。
検査では空腹時126mg/dl以上または2時間後200mg/dl以上の場合を糖尿病型、
空腹時110mg/dl未満および2時間後140mg/dl未満の場合を正常、
糖尿病型にも正常にも属さない場合を境界型と判定します。
このグラフの例で摂った食事の糖質量は不明です。
仮に一般的な食事量だったとしても、血糖値が食前に150mg/dlより高く、
食後2時間以降も200mg/dlを越えている状態であれば、すぐに医師の診断を受け
適切な対策をとるべき例だと思います。
よってこの血糖値グラフを、健康な方がイメージするのは適切でありません。
では次回、アンチエイジングに抗糖化を取り入れて考えられる方の血糖値変化は
どんなグラフになるのかを紹介します。