糖化について知ろうとするとさまざまな化合物の名前や略号が出てきます。
糖化や抗糖化を理解する上で必要な知識の一つには、これらの用語があります。
第3回目
はペントシジンについて紹介します。![]()
ペントシジン(pentosidine)はアミノ酸の一種であるリジンとアルギニンが
主にリボースなどの五炭糖とよばれる糖類と反応してできるAGEsの一種です。
ペントシジンはAGEsに特異的な蛍光とは少し異なる極大波長をもった蛍光(励起波長335nm,
蛍光波長385nm)を持ち、タンパク質の架橋形成に関与する物質であることが知られています。
またペントシジンはその生成に糖化と酸化が関与しているため糖酸化物質(glycooxidation
products)ともよばれています。
ペントシジンは糖尿病や慢性腎不全患者の血中で高値を示します。
これはペントシジンの主な排泄経路である腎機能の低下や糖化反応の進行による
血中糖化タンパク質の蓄積に関係していると考えられています。
また関節リウマチ患者で血中ペントシジンが高値であるとの報告もあります。![]()
さらにヒト硬膜や皮膚コラーゲンでは加齢に伴うペントシジン蓄積の進行が確認されており、
その組織中のペントシジン量と老化との関連が示唆されています。骨粗鬆症患者の骨コラーゲン
中にはペントシジンによる無秩序で非生理的なタンパク質架橋構造(悪玉架橋)
が形成し、
骨質低下の原因になっていることが明らかになっています。![]()
ペントシジンの測定にはHPLC、GC/MSなどの機器分析のほか、免疫学的測定法
(ELISA)が使われています。血中ペントシジンの検査は2006年に保健適用
されたため、
臨床検査機関で測定することが可能です。
伏見製薬所からはペントシジン測定キット「FSKペントシジン」
が販売されています。
このように血中ペントシジンはAGEsの中で比較的測定しやすい条件が整っているため、
さまざまな疾患や老化との関係が研究されるようになっています。
今後いろいろなAGEsが測定されるようになって、糖化やAGEsと疾患や老化との関係
が明らかになっていくことを期待したいと思います。![]()
