2009年も、あと1日になりました。
まさに今年は糖化・抗糖化が話題になり花開いた年であったと思います。
そこでアンチエイジング分野における糖化・抗糖化成分や製品の変遷について
昨年までと今年の状況の2回に分けて紹介します。
第1回目は2008年以前の状況です。![]()
2005年以前
◇ 糖尿病治療や血糖管理に糖化タンパク質の測定が利用されていた
◇ アミノグアニジンなどの糖化阻害作用による糖尿病合併症治療薬が研究されたが
安全性の問題や副作用により実用化されていなかった
◇ ビタミンB6誘導体(ピリドキサミン)、ビタミンB1誘導体(ベンフォチアミン)、
アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤(ARB)などの医薬品が糖化抑制に作用する
可能性が示されていた
◇ 化粧品、食品、医薬品メーカーなどから糖化反応阻害成分が特許出願されていた
◇ 糖化抑制作用のある成分を含む化粧品が主に海外で製品化され、一部が日本国内でも
販売されていた
◇ アルギニンの一酸化窒素(NO)生成作用や糖化抑制作用が動脈硬化や高血圧治療
分野で注目されていた
2006年
◇ 資生堂がαリポ酸による抗糖化サプリメント「サプレックス」を発売
細胞内の余分な糖を代謝、減少させて血糖値を正常に保つ作用
キーワードは「年齢自由化」
◇ アークレイが抗糖化作用のある食品素材「AGハーブMIX」を発表
カモミール、ドクダミ、セイヨウサンザシ、ブドウ葉の混合抽出エキスが糖化反応を阻害する
キーワードは「糖化は老化」
2007年
◇ ドクターシーラボが抗糖化美容液「ドクターブラント ラインレスグリケーションセラム」を発売
有効成分はアスパラギン酸メチルシラノールヒドロキシプロリン
キーワードは「糖化から日本女性の肌を守る美容液」
◇ ヤヱガキ醗酵がヤマブドウエキス「ヱヴィノール」の抗糖化作用を発表
ヤマブドウ由来ポリフェノールがAGEsの生成を阻害する
岩手大学、岩手県工業技術センターとの共同開発
◇ アークレイが混合ハーブエキス「AGハーブMIX」のヒト臨床試験における抗糖化作用の
有用性を日本薬学会第127年会、第7回日本抗加齢医学会で発表
◇ 一丸ファルコスが抗糖化作用のある化粧品原料「アブソレージ」を発売
セイヨウオオバコ種子エキスが表皮、真皮のグリケーションを抑制する
2008年
◇ オルビスが糖化に着目したスキンケアシリーズ「フレジュ」を発売
有効成分はルイボス
キーワードは「年齢から自由になるという名のスキンケア」
◇ ポーラ研究所がYACエキス(ヨモギ抽出物)によるAGEs分解作用を発見し、
第25回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)」世界大会で発表
◇ ファンケルが大豆サポニンB中の老化タンパク質蓄積抑制機能を発見し、第25回
和漢医薬学会学術大会で発表
カルボニル化(酸化)タンパク質の蓄積予防による皮膚老化抑制作用を確認
◇ ファンケルから大豆サポニンB配合サプリメント「美時」を発売
老化の原因としてタンパク質の代謝サイクルに着目
アンチエイジング分野における糖化・抗糖化の黎明期と言える時代であったと思います。
糖化反応は1912年にフランスの化学者メイラードによって発見された反応で、
その後、食品化学や糖尿病治療分野で広く研究されていました。
特に糖尿病における血糖管理の指標になっているヘモグロビンエイワンシー(HbA1c)の
測定は現在、世界的に利用されています。
糖化反応を阻害することが糖尿病合併症や老化抑制に繋がる可能性は古くから推定
されており、さまざまな医薬品の研究開発がされていました。しかし安全性で有効に
作用する成分が見つからなかったため、糖化阻害剤は夢の医薬品となっていました。
2004年6月の食薬区分改正によってαリポ酸の食品利用が認められたのを
きっかけに、αリポ酸の強い抗酸化作用が注目され、CoQ10などと共に抗酸化
サプリメントの大流行を遂げました。
その後2006年にはαリポ酸の糖代謝促進作用に着目した抗糖化サプリメントが
資生堂から発売されましたが2007年1月「発掘!あるある大辞典Ⅱ」(関西テレビ)の
実験データ捏造事件、製品および広告表示の取り締まり強化(薬事法、景品表示法改正)
などがあり、健康食品業界は低迷時代に入りました。
一方、化粧品業界では美白、抗シワ、シミ、クスミ対策に続く新しい効能を模索して
いる時期に、ドクターシーラボから抗糖化作用を特徴とした美容液が発売され好評と
なりました。またオルビスからは糖化に着目したスキンケアシリーズが発売されました。
この頃から食品や化粧品原料メーカーから抗糖化作用のある素材が複数発表され、
抗糖化作用をもった新しい製品作りの可能性が見え始めました。
すでに多くの化粧品、食品、医薬品メーカーではさまざまな抗糖化作用成分を特許
出願していましたので、各メーカーごとの成分を配合した製品開発が始まったと考え
られます。
また2005年以降、アンチエイジング医学に対する考え方が一般に認知される
ようになったことや食品を中心とするコラーゲン含有製品の認知や摂取体感が
広がったことも、糖化・抗糖化が認知されはじめる背景にあったと考えられます。
次回は2009年の状況を振り返ります。![]()