引き続き、先週開催された日本メイラード学会
で発表されていた内容の紹介です。![]()
今秋、相次いで新発売された抗糖化作用のあるスキンケア製品の情報により、
糖化反応の悪いイメージばかりが強調されているような気がします。
そこで今回は食品の糖化に関する良い情報の発表例を紹介します。
糖化反応(メイラード反応)は人類が古くから利用してきた食品加工の方法で
あり、様々な有用性があると共に糖化物にも良い作用があるという内容です。![]()
醤油は大豆と麦に麹を加えて醗酵させてモロミを作り生醤油を作るステップと、
次いで火入れ加熱によって醤油とする2つのステップに分けられます。
両ステップでは主に麹菌が大豆や麦を分解することにより生成したアミノ酸と
糖類とが糖化反応を起こして独特の色、香り、旨味成分を有する糖化物が生成
します。
醤油には魚を原料とする魚醤があり秋田県や石川県で「しょっつる」「いしる」
などと称して製造・利用されています。しかし食肉を原料とする醤油製品の
製造はほとんど行われていません。
青森県の地域産業振興の一環として、食肉由来「肉醤」の開発を検討した結果、
AGEsの一種であるCMLを含む食肉醗酵調味料を実験的に作ることができた
ということが北里大学 から発表されました。この肉醤は、広がりがあり、甘く、塩
味を感じさせるような風味を有すると同時に、ヒドロキシラジカルの生成を60%
抑制する抗酸化作用を有しているということです。この肉醤は食品の保健的機
能性を有する付加価値の高い調味料として可能性がありそうです。![]()
(大畑素子:食肉を主原料とした発酵調味料「肉醤」の熟成に伴う抗酸化活性と匂い特性)
また、食品の加熱処理によって生成するAGEsの種類や量は報告によって大き
く異なっており、調理条件や測定方法などに注意する必要があるという発表も
ありました。![]()
日本女子大学 の研究グループでは実験的に卵アルミンとブドウ糖を230℃で加熱
した結果、一般に考えられているようにAGEsが増加せず、調理と共にCML自体が
熱分解して低下するという結果になったということです。
(島崎智子ほか:加熱調理に伴うAGEsの生成・分解および蛋白の物性変化について)
さらに様々な食品中に生成するメラノイジンには抗酸化作用、便通改善、腸内の
善玉菌増殖促進作用があることが知られており、糖化によって分解を受けにくく
なったタンパク質は食品として食物繊維に似た機能もあるということです。
(永井竜児:AGEs╱メラノイジンの生体応答とそのメカニズム)
カラダに対する糖化反応物の善悪についてはAGEsの種類、濃度、吸収性および
受容体に対する親和性など慎重に考える必要がありそうです。![]()
このように糖化反応は各種疾患に対するリスクだけでなく、
健康に良い機能性も確認されています。
食品はバランス良く摂取するのがポイントです。![]()
例えカラダに良いと言われているものでも、
偏った摂取をするのは良くありません。![]()
海の幸、山の幸、季節の幸、世界の幸など多種多様な食品を上手く活用していく
ことが食生活を豊かにし、アンチエイジングの一歩に繋がると思います。![]()