国名変更を画策か…インドは大国意識に目覚め、「中国も恐れるに足らず」の危険度 | Gマークの「中今を生きる」ブログ

Gマークの「中今を生きる」ブログ

ブログの説明を入力します。

「2位じゃダメなんですかぁー」と、恐れをなし、G20サミットを欠席してインドの顔を潰した習近平だ。

敵の敵は味方論で、日本は、習近平独裁政権チャイナじゃなく、インドと仲良くすべきだ。

国名変更も、植民地時代からの脱却反欧米・反中だから理解出来る。



記事抜粋


国名変更を画策か…インドは大国意識に目覚め、「中国も恐れるに足らず」の危険度



首脳会議宣言の未採択という史上初の事態は回避
インドのナレンドラ・モディ首相
 9月10日、インドの首都ニューデリーで開かれていた主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が閉幕した。ウクライナ情勢を巡る対立を受け、首脳宣言の成立が危ぶまれていたが、予想に反して開幕日の9日に全会一致で採択された。

【写真を見る】海洋進出にも貪欲な中国 80年代に“買い漁った”旧日本陸海軍の戦史が道しるべに?
 首脳会議宣言の未採択という史上初の事態を避けるため、全方位外交を続けてきた議長国インドの必死の努力が実ったわけだ。だが、ウクライナ戦争についてロシアを名指しした批判はなく、昨年の宣言に比べて内容が後退した感は否めない。

 インドは今回のG20サミットを是が非でも成功させ、国際社会の中で存在感を高めようと躍起になっていた。主な成果は、インドが主導する形でアフリカ連合(アフリカ55カ国・地域で構成する世界最大級の機関)の正式なメンバー入りが決まったことだ。「グローバルサウスと呼ばれる途上国・新興国の声をG20に反映させる」という、ナレンドラ・モディ印首相の公約が達成できた形となった。

 今回のサミットは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と中国の習近平国家主席が欠席するという異例の展開もあった。

 一方、筆者が注目したのはインドの「国名変更」に関する動きだ。

インドが国名変更? 植民地時代の負の遺産を払拭へ
 G20サミットで、モディ首相の議長席に置かれた英語の国名プレートは「インド」ではなく「バーラト」だった。サミットの公式夕食会の招待状も「バーラト」大統領名で出されており、「インドは国名をバーラトに変更するのではないか」との憶測が広がっている。

 インドの憲法上では、英語の「インド」とヒンディー語の「バーラト」の両方が正式な国名だが、国際会議などの場では「インド」が使われてきた。「インド」は英国植民地時代の呼称、「バーラト」は古代インドの伝説上の王バラタの領土を意味するサンスクリット語であり、植民地時代以前から使われてきた呼称だ。

 モディ首相率いる与党インド人民党(BJP)はヒンズー至上主義を掲げている。BJPの支持団体である「民族義勇団」は「バーラトの呼称を広く使うべき」と主張していることから、国名変更の動きは来年4月の総選挙を念頭に置いた政治的な布石だとの指摘がある。

 人口約14億人の8割を占めるヒンズー教徒の支持を得て、BJPが総選挙で勝利する戦略だというわけだ。この見方が正しければ、総選挙の終了後にこの一件が落ち着く可能性は高い。だが、筆者は「名実ともに大国となったインドで植民地時代の負の遺産を払拭する動きが加速するのではないか」と考えている。

 そこで思い出されるのは約10年前、日本を抜いて世界第2位の経済大国となった時の中国だ。

習氏のG20欠席はインドの面目をつぶした? 
 2012年11月15日、中国共産党中央委員会総書記に選出されたばかりの習国家主席は、「中華民族の偉大な復興の実現が、近代以降の中華民族の最も偉大な夢だと思う」と語った。いわゆる「中国の夢」演説だ。

 これ以降、中国国内では「強国に返り咲いた今、過去の屈辱を晴らす べき」との風潮が高まった感がある。対外的には強硬路線が目立つようになり、周辺国の摩擦を強めた。

 大国意識に目覚めたインドも、同じ道を辿るのではないかとの不安が頭をよぎる。

 現在のインドにとって英国以上に許せないのは中国だろう。1962年の国境紛争で中国に大敗したことが、独立後のインドにとって最大の屈辱だからだ。

 その中国がインドにとって国威発揚の絶好の場であるG20サミットを台無しにした。これまで欠かさず出席していた習氏が欠席したのだ。

 欠席について様々な憶測が流れているが、習氏は9月7日、洪水被害に遭った黒竜江省を訪問し、被災者を見舞っている。このためにG20は欠席せざるを得なかったのだろうが、「グローバルサウスの盟主の座を巡って争うインドの手柄を上げさせたくない」との思いがあったことも確かだろう。

 2020年の国境係争地での軍の衝突以来、急速に冷え込んでいる中印関係が、習氏のG20欠席でさらに悪化する中、漁夫の利を得ようとしているのは米国だ。

中国に対する強硬路線に舵を切るのは時間の問題か
 ジョー・バイデン米大統領とモディ首相はG20サミットに先立って会談を行い、「両国は民主主義的な価値観や半導体のサプライチェーン(供給網)など幅広い問題で協力する」との共同声明を発表した。9月9日付ブルームバーグの記事によると、米政府高官は「中ロ首脳のG20欠席はインドを著しく失望させたが、我々の存在に謝意を示した」との見解を述べている。

 米国は無人航空機の調達を求めるインドの要請に積極的に応ずる姿勢を示す(9月9日付日本経済新聞)など、中国の脅威を念頭に安全保障面での協力も深めようとしているが、その緊密ぶりには目を見張るものがある。

 9月8日付ブルームバーグによると、中国の台湾侵攻を想定し、米国からインドへ「どのような貢献ができるのか」という非公式の問い合わせがあったという。インドの選択肢の1つは、軍艦や航空機の修理・整備施設や物資を提供する後方支援拠点だ。驚くべきことに、北方国境沿いで軍事的な関与を強めた場合、中国がこの戦いに対応せざるを得なくなる可能性まで分析しているという。

 大国意識が高まり、米国という強い味方も得た現在のインドにとって、中国は「恐れるに足らず」になりつつある。かつての汚名をそそぐために、中国に対する強硬路線に舵を切るのは時間の問題ではないだろうか。

藤和彦
経済産業研究所コンサルティングフェロー。経歴は1960年名古屋生まれ、1984年通商産業省(現・経済産業省)入省、2003年から内閣官房に出向(内閣情報調査室内閣情報分析官)。

デイリー新潮編集部