マイレージやポイントを社会の公器にできるか? | イノベーションを科学する: フューチャーセンター、ゲームストーミング、サラサラの組織、事務局力、コミュニティ・オブ・プラクティス

マイレージやポイントを社会の公器にできるか?

上智大学の岡田先生の主宰しているCSRウォッチ研究会で、今日はサイモンズの斉川社長のお話を聞いた。斉川さんはJALでマイレージカードを立ち上げた本人だが、その頃からの問題意識である「もっとマイルを地域のために役立たせられないだろうか?」「使わなかったマイルをもっと有効に活かせないだろうか?」ということをベースに、新しいポイントカード会社を立ち上げた。

アイデアがすごく面白い。基本的には企業が一方的にメリットを享受してきたポイント制システムを社会に解放しよう、というアンチテーゼだ。
各コミュニティの専用カードをサイモンズカードにすると、顧客はそこで得たポイントをサイモンズ加盟店であればどこでも使える。サイモンズは、顧客情報を分析して店舗にフィードバックする。顧客が翌年末までに使わなかったポイントは、NPOや地域コミュニティに寄附される仕組みだ。カードを発行するコミュニティごとに、どこに寄附するかを選ぶことができる。

ツタヤのTカードなどと似た仕組みであるが、大きな違いは、「サイモンズは黒子であること」、それから「使わなかったポイントは企業に戻るのではなく、社会に還元される」ということである。
斉川さんは、いわゆる社会起業家ではない。れっきとしたビジネスパーソンである。しかし、大企業の都合で作られたポイントシステムに対抗し、地域コミュニティがネットワークすることで対抗する、という心意気はとても共感できる。

地域コミュニティ活性化のための裏方仕事であるが、ポイントカードという大企業にとって都合のよい仕組みを取り上げ、地域に戻してやる、というネズミ小僧的な活動は、企業を出し抜いているという意味で、たいへん痛快である。