ルッカ
場所的には、フィレンツェとピサの間に位置し、
ピサからフェレンツェへ帰る途中に寄りました。
ピサから15,6分で着きました。
観光客も少なく、アジア人には一人として会うことはありませんでした。
城壁と緑に囲まれた小規模なこの街は、今でも中世の趣を感じることができます。
イタリアでは一部城壁が残っている都市はいくつかありますが、
ルッカのようにほぼ全形が残されている都市は他には殆どないです。
ルッカは元々エトルリア人の街です。
フィレンツェ共和国にもトスカーナ大公国にも併合されず、
ナポレオンの妹とその旦那さんに支配されるまでは、独立共和国だったそうです。
実質的にはフェレンツェの支配を受けたことがないと言われています。
他に類をみません。
あと、忘れてならないのは、
『蝶々婦人(マダム・バタフライ)』や『トスカ』、『ラ・ボエーム』などで有名な
オペラ作曲家ジャコモ・プッチーニの故郷でもあるということです。
オペラ作曲家というより、世界的音楽家と称されることの方が多いのかもしれませんね。
前述したように、ルッカは城壁で囲まれているので、
とても珍しくて、どう入っていけば良いのか一瞬戸惑ったくらいでした。
リソルジメント広場を越えると、ドゥオーモが見えてきます。
砂糖菓子のよう。
ピサ・ルッカ様式です。
ロマネスク・ゴシック様式とも言われています。
白と緑の大理石、細かな装飾、上層の列柱回廊が印象的です。
柱は一本一本模様が異なります。
欠けたところを写してしまっていました。
内部には、ギルランダイオ(板絵、『聖母子と聖人たち』)、
ティンレット(板絵、『最後の晩餐』)の作品があります。
さて、次に移ります。
古代ローマの円形闘技場跡を利用したメルカート広場もあります。
そして、
サン・ミケーレ・イン・フォロ教会です。
サン・ミケーレ=聖ミカエル。
ピサ・ルッカ様式です。
ロマネスク様式とも言われています。
こちらもピサのドゥオーモに似ていました。
11C~14Cに渡る建築だったそうです。
アーチ、アーチ、アーチ・・・
アーチが連なる繊細なファサード。
この薄さに驚きました。
予算の関係で建築が途中で終わったとも言われていますが、
この薄さはそこからきているものなのでしょうか。
この教会を個性的に見せている大天使ミカエル。
顔がちょっと・・・。
内部には、フィリッピーノ・リッピの板絵『4人の聖人たち』や、
アンドレーア・デッラ・ロッビアの彩釉テラコッタ『聖母子像』があります。
ロッビアについては、こちらで少し触れました。
http://ameblo.jp/globular-cluster/entry-10095605355.html
この教会の前に、プッチーニの生家があります。
ルッカには、他にサン・フレディアーノ教会などがあります。
実は、イタリアで唯一道に迷って辿り着けなかった教会です
躍起になるほど興味がなかったということもあると思います。
中世の佇まいを残したこの閑静な街にはゆったりとした時間が流れ、
散歩でもして帰りたかったのですが、
雨も結構降っていたので、早めに引き上げました。